ワールドコイン(WLD)、独自のイーサリアムL2「World Chain」今夏リリースへ

World Chainが今夏リリースへ

ワールドコイン(Worldcoin)の独自ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」が、今夏リリース予定であることが4月17日発表された。

ワールドコイン開発元のツール・フォー・ヒューマニティ(Tools For Humanity:TFH)の発表によると、「ワールドチェーン」はイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンとなるようだ。

ワールドコインは現在イーサリアムL2の「OPメインネット(OP Mainnet)」上に稼働している。

TFHによるとワールドコインユーザーによる現在のトランザクションは、「OPメインネット」のアクティビティの約44%を占めており、ワールドコインは同ネットワーク最大のアプリケーションとなっているとのこと。またアクティビティが多い時には80%を越えることもあるという。

ワールドコインは今月4月にユーザー数が1,000万人を突破したことを発表している。

このような背景から、現在の「OPメインネット」から独自の専用ネットワークへ移行する時期が来たとTFHは述べている。

同社は「ワールドチェーン」について、ワールドコインプロトコルとより多くのイーサリアムコミュニティを10億人以上に拡張するために構築するとしている。また同チェーンについては「人間向けに設計されたブロックチェーン」と伝えている。

「ワールドチェーン」では、「World ID」をもち人間であると検証されたユーザーについては、ボットよりもトランザクション処理が優先されるとのこと。また一部ガス代(取引手数料)も無料になるとのこと。

また現在ガス代として利用されているETHに加え、ワールドコインの独自トークン「WLD」もガス代として利用が可能になるとのことだ。

なお「ワールドチェーン」は、「OPメインネット」開発元のOPラボ(OP Labs)が提供する「OPスタック(OP Stack)」により開発されるようだ。

「OPスタック」を用いることで、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用した独自のレイヤー2ブロックチェーンを立ち上げられる。

発表の中でTFHは「ワールドチェーン」について、「スーパーチェーンエコシステムとの拡張性を考慮して設計する」と述べている。

「スーパーチェーン」はOPラボが掲げる構想で、「OPスタック」を採用したブロックチェーンをシームレスに接続し、イーサリアムのエコシステムにおける拡張性と相互運用性の強化を目指すものとなる。

なお「OPメインネット」では、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションとして、ネットワーク上のトランザクションを集約してイーサリアムへ格納している。

「OPメインネット」が採用するスケーリング技術「オプティミスティックロールアップ」では、正当性の検証方法をレイヤー1(イーサリアム)に提出されるデータはすべて正当なものであるという「楽観的(オプティミスティック)」な前提に基づいて検証を行う手法にて、スケーラビリティを確保している。

なお「ロールアップ」とは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のことだ。

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参考:ワールドコイン
images:iStock/digitalmazdoor-digitalmazdoor・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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