ソラナ(SOL)の混雑問題改善に向け修正版ソフトウェアがリリース、テスト実施へ

ソラナの修正版ソフトウェアがリリース

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」の開発者チームであるアンザ(Anza)が、同チェーンのトランザクション処理速度の低下問題修正に向けたクライアントソフトウェア「v1.18.11」を4月12日公開した。

なお4月15日には、同問題の緩和に役立つ機能強化を含む「v1.17.31」がメインネットベータ向けとして推奨バージョンに指定された。「v1.18.11」がメインネット向けの推奨バージョンに指定されるまでは「v1.17.31」が混雑問題に対処したソフトウェアとしてメインネットで利用される見通しだ。

4月12日に公開されたクライアント「v1.18.11」は、現在テストネットのバリデータに向けて公開されている。「アンザ」はテストネットのバリデータに対し、できるだけ早いアップグレードを要求している。

ソラナでは、4月4日からトランザクション処理速度の低下問題が発生している。

問題発生当初、ソラナネットワークでは約75%のトランザクションがバリデータに提出される前に失敗していたことが確認されていた。

「アンザ」によると混雑の問題は、ソラナのネットワークスタックである「クイック(QUIC)」の実装と、「アガヴェ」バリデータクライアントの動作が原因で生じているとのこと。

具体的には、スパムトランザクションの処理がうまくいかずユーザーのトランザクションがスパムトランザクションに邪魔されてしまっていることが原因とのこと。

「v1.18.11」はこのスパムトランザクションの処理を正しく行うためのクライアントソフトウェアのアップデートとしてリリースされたことになる。

前述したように今後このソフトウェアは、テストネットで十分にテストされ分析された後にメインネットでもリリースされる予定だ。

またこの問題の解決には、「アンザ」だけでなくソラナエコシステムのほかの企業も尽力している。ソラナエコシステムで最も使用されるウォレットである「ファントム(Phantom)」もRPCの刷新やスパムのブロック、エラーメッセージの改善に取り組んだと発表している。

この発表によると、「ファントム」を使用したトランザクションの成功率が大幅に向上しており、4月12日の発表時点で一週間前に比べ約5倍の成功率を誇っているとのことだ。

なお「アンザ」は、ソラナラボ(Solana Labs)の幹部とエンジニアによって設立された開発者のチームで、ソラナのバリデータクライアントである「アガヴェ(Agave)」を開発している。

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参考:Github
images:iStock/Svetlana-Borovkova

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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