アスターの「Astar zkEVM」でネットワーク巻き戻し発生、一部資金がロック中

Astar zkEVMでネットワーク巻き戻しが発生

Polygon CDK活用のレイヤー2ブロックチェーン「Astar zkEVM」で、ネットワークの巻き戻しが4月10日に発生した。イーサリアム(Ethereum)で発生した「リオーグ(再編成)」が原因のネットワークエラーが生じたことにより発生したようだ。

巻き戻しの対象は4月6日から8日の間で、期間内のトランザクションの一部が取り消されたことが報告されている。

「リオーグ」は、ブロックチェーンにおいて2つのブロックが同時に生成された際に発生するチェーン分岐のこと。それぞれのブロックに続くブロック数がより長いチェーンが正しいとみなされ、もう一方が削除される。

「Astar zkEVM」で発生したネットワーク巻き戻しにより、当該期間に同ネットワークへトークンブリッジを行った一部ユーザーの資金が消失しているという報告が上がっていたものの、正確には資金は失われているわけではなく、引き出しに少し時間がかかっているとのことだ。

なお現在イーサリアムと「Astar zkEVM」間で稼働しているネイティブブリッジは問題なく稼働しているものの、スターゲート(StarGate)やレイヤースワップ(Layerswap)などサードパーティー製のブリッジについては現在調査中とのことだ。

今回の問題は、3月24日に「Polygon zkEVM」で起こったネットワーク障害と類似したものになるという。

この件は、イーサリアムの「リオーグ」によりシーケンサーに問題が生じたことが原因だった。なお問題を解決するため「Polygon CDK」のアップグレードは4月8日に行われたという。このアップグレードに際してネットワークが数時間ダウンしたものの現在では問題なく稼働している。

今回の「Astar zkEVM」のネットワークの巻き戻しは、この「Polygon CDK」のアップグレード後ネットワークを再度同期する際に発生したものだ。

「Polygon CDK」は、ポリゴン(polygon)ブロックチェーンの開発を主導するポリゴンラボ(Polygon Labs)が提供するオープンソースのブロックチェーン開発キット。イーサリアム(Ethereum)上にゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を利用した独自のレイヤー2ブロックチェーン構築を容易にするために開発された。

「Astar zkEVM」はこの「Polygon CDK」を用いて開発されたブロックチェーンで、アスターネットワーク(Astar Network)と合わせてAstarエコシステムを構成している。

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参考:アスターフォーラム
images:iStock/SiberianArt・artacet・WhataWin

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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