ビットバンクとビットポイント、「暗号資産における期末時価評価課税の適用除外」の申込受付を開始

「暗号資産における期末時価評価課税の適用除外」の希望者への受付が開始

国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットバンク(bitbank)およびビットポイント(BITPOINT)が、法人における暗号資産の「期末時価評価課税の適用除外」を希望する顧客に対し、申込受付を開始する旨の通知を行った。

ビットバンクは4月2日、ビットポイントは4月4日にリリースを出しており、両社共に本件についての問い合わせフォームを公開している。

ビットバンクは、同希望者が「期末時価評価課税の適用除外」の一定の要件を満たしているかを確認し、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)へ情報提供を行うと伝えている。

またビットポイントでは、申込条件として「法人であること」、「同社の法人口座開設済もしくは開設予定」、「同社の取扱い済み暗号資産であること」、「暗号資産の1年以上ロック可能(移転予定がない)であること」、「暗号資産を3,000万円以上保有していること」をあげている。

なお3,000万円未満の場合でも受付できる可能性があるともビットポイントは伝えている。またビットポイントでは手数料無料としている。ビットバンクでは手数料については記載がない。

法人における暗号資産の期末時価評価課税について

法人における暗号資産の期末時価評価課税については、昨年6月に自社発行分は対象外になっている。

そして他社発行分については、法人が短期売買目的以外で継続的に保有する暗号資産に関して、「期末時価評価課税の適用除外」が一定の要件のもとで認められることとなった。

これに伴い、法人税法および暗号資産交換業者に関する内閣府令の一部が改正され、JVCEAの関連する自主規制規則およびガイドラインが2024年4月1日施行された。

なおこの課税対象外となる他社発行の暗号資産についての定義は、今回のFAQの35Pおよび令和6年度税制改正大綱の72pに以下のように記載されている。

  • (注1)上記の「譲渡についての制限その他の条件が付されている暗号資産」とは、次の要件に該当する暗号資産をいう。
  • ①他の者に移転できないようにする技術的措置がとられていること等その暗号資産の譲渡についての一定の制限が付されていること。
  • ②上記①の制限が付されていることを認定資金決済事業者協会において公表させるため、その暗号資産を有する者等が上記①の制限が付されている旨の暗号資産交換業者に対する通知等をしていること。

この内閣府令の一部改正により、暗号資産交換業者は期末時価評価課税の適用除外を希望する暗号資産の保有者からの通知を受けた場合、その通知内容が一定の要件を満たしているかを確認したうえ、その情報をJVCEAに提供することになっている。

また前述のとおり、希望者が保有する暗号資産の種類および数量は、JVCEAのウェブサイト上での公表が義務付けられている。

今回ビットバンクでは、この要件と合わせて、顧客からの通知の受付可否基準を設けているとのこと。

また希望者に対しては、暗号資産における「期末時価評価課税の適用除外」希望者からの通知を受付するための専用問い合わせフォームを設置したとのことだ。

対象となる暗号資産は、「他者に移転できないようにする技術的措置がとられていること等、該当の暗号資産の譲渡について一定の制限が付され」かつ、それを暗号資産を有する者等が前述の「制限が付されている旨の暗号資産交換業者に対する通知等をしていること」、その2つの条件を満たす必要がある。

この条件に該当する暗号資産は事実上少なく、期末時価評価の対象外になるのは法改正後も限定的であると考えられるため、その点について、一時SNS上で物議となった経緯がある。

なおビットバンクの発表と同日、SBI VCトレードとコインチェックも本件についてリリースを出した。ただしSBI VCトレードは、手続き方法の詳細が決まり次第の案内としている。またコインチェックは現状で希望者の通知について整備中により受付していないとのことだった。

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参考:ビットバンクビットポイントコインチェックSBI VCトレード
images:iStock/y-studio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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