東海東京FHがフォビジャパンへ約5億円の出資〜IEOやSTOにどう取り組むのか

東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社が、グローバルで暗号資産取引所を運営する Huobi(フォビ)グループの日本法人であるフォビジャパン株式会社との資本業務提携に係る契約を締結し、約5 億円の出資をしたことが明らかになった。

フォビジャパンとの資本業務提携に関するお知らせ

出資背景は、同社が経営計画「New Age’s, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」において、先進的な「総合金融グループ」への進化に向け、経営基盤の強化に取り組んでいて、その中でも、FinTech の活用やデジタライゼーション等により先端技術を金融サービスへ積極的に導入し、顧客のニーズに対応した商品・サービスを拡充していくことは、重要な経営課題の一つであると認識しているからだ。

グローバルでブロックチェーンビジネスを展開するフォビグループとの資本業務提携の目的は、暗号資産の交換、暗号資産を活用した IEOをはじめとした新しい資金調達、地域通貨への取組み、暗号資産の保管・管理等の領域における新規事業の展開を推進すること。また、将来的には当該ビジネスを提携先をはじめとした地方銀行にも展開することも検討している。

東海東京フィナンシャル・ホールディングスの戦略

あたらしい経済編集部は、東海東京フィナンシャル・ホールディングスの広報担当である久保田三千代氏に取材を行った。我々の質問事項は「1.なぜフォビジャパンと提携をしたのか2.地銀などを含めたお客様のニーズは存在しているのか3.今後STOやIEO領域に対して、どのような考察をしているのか」だ。

質問に対し、久保田氏は「フォビジャパンと提携した理由は、弊社がデューデリジェンスを行い、技術力の高さと通貨の流動性の高さが明確になったからです。そして我々のお客様からIEOのニーズが顕在化しています。STOやIEO領域に関しては、4月の法改正のあと、市場は確実に大きくなっていきます。日本のプレーヤーとしては、野村HD、MUFG、東海東京のみなので、しっかりと市場を形成していきたい」と語ってくれた。

シンガポールの STO 取引所運営会社 ICHX 社への出資に関するお知らせ

同社は、11月14日にシンガポールの STO 取引所運営会社 ICHX 社への出資も行っている。地方銀行やその顧客から、あらたな金融商品のニーズはしっかりとあるとのことで、東海東京フィナンシャルグループがプラットフォームとなり、地銀を含めた日本企業と海外を結んでいく重要な存在になるのではないかと、あたらしい経済編集部は考えている。

(images:iStock / artsstock,AliseFox)

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。