米ブラックロックがトークン化ファンド「BUIDL」立ち上げ、セキュリタイズと提携で

トークン化投資ファンドを立ち上げへ

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が、デジタルアセット発行プラットフォーム運営のセキュリタイズ(Securitize)と提携し、トークン化ファンドを立ち上げたと3月20日発表した。

発表されたファンドは「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」だ。

この「BUIDL」では1トークン対1ドルの安定した価値提供を目指し、毎日発生する配当を毎月新しいトークンとして投資家のウォレットに直接支払うという。

同ファンドは総資産の100%を現金・米国財務省証券・現先取引に投資する。同ファンドの投資家は、ブロックチェーン上でトークンを保有しながら利回りを得られる仕組みとなっている。また同ファンドの投資家は24時間365日、事前に承認された他の投資家にトークンを譲渡できるとのこと。

また同ファンド参加者は、カストディ・オプションを通じて、トークンの保有方法を選択できるとのことだ。

同ファンドの初期投資最低額は、5,000,000ドル(約7.5億円)。募集開始日などは明らかとなっていない。

なおブラックロックは、米証券取引委員会(SEC)に同ファンドに関するフォームD(免除証券募集通知書)を3月14日に提出している。提出書類によると、同ファンドの販売手数料は525,000ドル(約7,916万円)と見積もられており、仲介手数料は計上されていない。

発表によると「BUIDL」の最初のエコシステム参加者として、大手信託銀行アンカレッジ・デジタル・バンク・ナショナル・アソシエーション(Anchorage Digital Bank NA)、デジタル資産信託会社ビットゴー(BitGo)、大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)、デジタル資産カストディのファイアブロックス(Fireblocks)などが名を連ねている。

同ファンドは、ブラックロックファイナンシャルマネジメント(BlackRock Financial Management)が投資マネージャーとなり、BNYメロン(BNY Mellon)がカストディアンを務める。

ブラックロックと提携したセキュリタイズはトークン化プラットフォームとして、トークン化された持ち分の管理・ファンドの申し込み・償還・分配に関する報告を行うとのこと。セキュリタイズ・マーケッツはプレースメント・エージェントとして、適格投資家にファンドを提供する役割を担う。また12月31日までの期間、PwC(PricewaterhouseCoopers LLP)がファンドの監査役を務めるとのことだ。

※2024年3月21日22:45 タイトル及び文中に表現に誤りがありましたので、修正・削除しました。

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参考:発表提出書類
images:iStock/Aramyan・BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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