イーサリアムの現物ETFについて分析
ロンドンを拠点とするグローバル金融グループであるスタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)が、米国でイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)が承認されれば、最初の1年間で最大450億ドル(約6.7兆円)の資金が流入する可能性があるとの見方を示した。3月18日付けの同行のレポートを入手した複数メディアが報じている。
暗号資産メディアのザ・ブロック(The Block)の報道によればスタンダードチャータード銀行は、イーサリアム現物ETFが当初の期限である5月23日までに承認される可能性が高いとみているようだ。
これはスタンダードチャータード銀行の外国為替・暗号資産リサーチ責任者のジェフリー・ケンドリック(Geoffrey Kendrick)氏の読みであり、同氏は「個人の見解」だと説明している。
ケンドリック氏は、この見解の理由として、米証券取引員会(SEC)がイーサリアムを有価証券として分類していない点や、ロンドン証券取引所が第2四半期にBTCとETHを裏付けとする上場債券の申請を受け付けると発表していることを挙げている。
またケンドリック氏は、イーサリアム現物ETFが承認されれば、最初の12ヶ月で2,390,000~9,150,000ETH、つまり150億ドル(約2.2兆円)から450億ドル(約6.7兆円)の資金流入を見込んでいる。
また同氏は、予定通り5月に承認されれば、ETHの価格は2024年末までに8000ドル(約119万円)に達する可能性を示唆した。
さらに同氏は、2025年までにETHの価格は14,000ドル(約209万円)に達することを推定数値に掲げている。
これはスタンダードチャータード銀行が現在、ビットコイン(BTC)は2024年末までに150,000ドル(約2246万円)に達すると読んでおり、2025年にはETHとBTCの価格比が、2021年から22年にかけての標準値の7%水準に戻ると見ていることをもとに算出した数値のようだ。
同氏は2025年末のBTC価格水準が200,000ドル(約2995万円)であれば、ETH価格は14,000ドル(約209万円)になると推定している。
またケンドリック氏は、日本時間で3月13日23:00頃に実装されたイーサリアム(Ethereum)メインネットの大型アップグレード「デンクン(Dencun)」によって、L2ネットワークでの取引手数料が大幅に引き下がったことはイーサリアムの競争力を高めていると述べている。
同氏は、同アップグレードにより「ブリッジ」カテゴリーの重要性が高まると読んでおり、将来的にイーサリアムのユースケースがゲームやトークン化へと進化し、それぞれ既存のNFTとDeFiチャネルを介した大きな需要が加わると予想している。
ビットコインの価格にも言及
またスタンダードチャータード銀行は、別のメモでビットコインの価格についても予想している。
同行はビットコインの価格について、2024年末までに150,000ドル(約2,230万円)まで上昇すると読んでいる。
また、現物ETFの資金流入が好調に続き、かつ/または外貨準備金の運用会社がビットコインを今年買い始めた場合、2025年には250,000ドル(約3,720万円)に到達する可能性さえあると予想している。