DeFi向けL1チェーン「Injective」、独自EVM「Injective EVM」開発

Injectiveが独自EVM「Injective EVM」開発

Cosmos SDKをベースに構築された分散型金融(DeFi)向けL1ブロックチェーン「インジェクティブ(Injective)」が、独自開発のEVM(Ethereum Virtual Machine)「inEVM(Injective EVM)」のリリースを3月8日に発表した。

「インジェクティブ」は、様々なブロックチェーンの仮想マシンと互換性のある独自の仮想マシンを一つのブロックチェーンに実装する開発を進めている。

今回「inEVM」がリリースされ「インジェクティブ」にEVM環境が実装されたことにより、イーサリアム(Ethereum)上でスマートコントラクトを開発したことがある開発者は、Solidityなどの使い慣れた言語や開発用のツールを用いて開発した分散型アプリケーション(Dapps)を「インジェクティブ」上に公開可能になった。

「インジェクティブ」は仮想マシンとしてWASM(WebAssembly)を搭載していることに加え、独自のSVM(Solana Virtual Machine)環境である「inSVM(Injective SVM)」を搭載している。今回「inEVM」をリリースしたことで、同ブロックチェーンはWASM、EVM、SVMの3つの実行環境を同時に利用可能になった。

このようにして「インジェクティブ」では複数の仮想マシンを維持することで、コスモス(Cosmos)やソラナ(Solana)、イーサリアムのエコシステムを横断した開発が可能となる。「インジェクティブ」は「inEVM」を、「コスモスとソラナにまたがる真のコンポーザビリティを達成できる初めてのEVMである。これは、1つの統合ネットワーク下で複数の仮想マシン環境を維持するInjectiveの能力によって達成される」と説明している。

「inEVM」に関するドキュメントもすでに公開されており、ドキュメントでは「inEVM」の使用方法だけでなく、イーサリアムでの開発者が使用するツールを使用してスマートコントラクトをデプロイする方法についても書かれている。

なおWASMは、グーグル(Google)、モジラ(Mozilla)、マイクロソフト(Microsoft)、アップル(Apple)らが共同開発した仮想マシン。C言語やJAVA、Rustなどの広く利用されている多くの言語をサポート可能な実行環境であり、ディズニープラス(Disney+)やアマゾンプライムビデオ(Amazon Prime Video)、グーグルアース(Google Earth)など多くのサービスの開発に利用されている。

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参考:インジェクティブブログ
images:iStocks/olegback

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。