ワールドコインがスペインで活動停止要請
スペインのデータ保護当局AEPDが、米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏が立ち上げた暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」に対し、個人情報保護の観点からリスクがあるとして、最長3カ月間の活動禁止を3月6日に要請した。
AEPDは「ワールドコイン」に対し、直ちに個人情報の収集と、既に収集した情報の利用を中止するよう要請。情報提供が不十分、未成年者のデータを収集している、同意の撤回を許されないなど、複数の苦情が寄せられたことを明らかにした。
また、生体認証データの処理は欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)によって特別に保護されており「そのセンシティブな性質に鑑みると、人々の権利に大きなリスクを及ぼす」と説明。一時的に「ワールドコイン」の活動を禁止する緊急措置は「取り返しのつかない損害」を避けるために正当化されるとした。
これに対して「ワールドコイン」は、AEPDが「EUの法律を迂回」した対応を採っており、「私たちの技術について不正確で誤解を招く苦情を拡散している」と反発した。
「ワールドコイン」のウェブサイトによると、虹彩スキャンに登録した人の数は120カ国で400万人を超えた。しかしこのプロジェクトはアルゼンチンからドイツに至るまで、個人情報保護の活動団体から批判を浴びている。
昨年10月には、ケニア政府の合同特別調査委員会が同国規制当局に対し、ケニアでの「ワールドコイン」の事業停止を勧告。今年に入り2月には香港の個人情報保護委員会(PCPD)が、「ワールドコイン」の香港事務所6つに立ち入り調査を行い、また韓国の個人情報保護委員会も「ワールドコイン」について調査開始を発表している。
「ワールドコイン」は「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで網膜をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行する。現在このスキャンは無料ででき、スキャンしたユーザーは現在無料の暗号資産「Worldcoin(WLD)」を受け取れる。この「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されている。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
アルトマン氏の仮想通貨事業、スペインが活動停止要請 個人情報保護で
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