台湾FSC、9月にデジタル資産市場規制の新法案提案へ=報道

消費者保護を推進する意向

台湾の金融監督管理委員会(FSC)は、今年9月にデジタル資産規制に関する新たな草案を提案する予定だ。現地紙「聯合新聞網」が3月4日報じている。

報道によれば、FSCのファン・ティエンム(黃天牧:Huang Tien-mu)氏が講演の中で、FSCがデジタル資産市場を規制し、投資家保護を推進する法案を今年9月に提出する予定であることを明かしたという。

またファン氏は、暗号資産(仮想通貨)が詐欺シンジケートの新たなターゲットになりつつあることを挙げ、デジタル資産に関する潜在的リスクについての注意喚起を行った。

同氏は投資家を欺く業者には厳しい行政処分が課されると警告している。

またファン氏は、伝統的金融サービスと暗号資産の相互関係が深まっていると指摘、FSCが今後の法制化の方向性に大きな注意を払っていると述べた。今後暗号資産リスクから伝統的金融の安全性を守るための法律を、特別法の方向で立法する予定だと同氏は明かしている。

ファン氏はまた、台湾が規制の範囲内で現物ビットコインETFの受け入れを検討していることにも言及した。

このことについてSFCは、証券業協会(ASD)に調査を依頼しており、4月には結果が出るとファン氏は回答している。

ファン氏は投資家に対し、外国の暗号資産ディーラーや未承認のプラットフォームに投資しないよう呼びかけている。

台湾では昨年10月、立法院に「暗号資産管理法案」が提出された。同法案は、暗号資産業界を適切に監督し、顧客の利益を保護するためのものであり、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)へライセンス申請を義務付けるほか、顧客資産の分別管理、内部統制及び監査システムの確立、地元業界団体への参加が提案されていた。

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参考:聯合新聞網
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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者