アルゼンチンがVASP規制準備進める、FATFグレーリストから除外目指し=報道

3月までに行政命令か

アルゼンチン政府が、行政命令によって暗号資産サービス・プロバイダーを規制する準備を進めているようだ。現地メディア「iProUP」が2月20日報じた。

報道によれば、新大統領ハビエル・ミレイ(Javier Milei)氏は、これらの運営を規制する枠組みを作り、国家証券監視委員会(CNV)の監督下に置く緊急政令を発行する準備を進めているという。

この動きの背景には、3月6日に予定されている金融活動作業部会(FATF)のアルゼンチン訪問があるようだ。そこでFATFは金融犯罪防止に関する同国の進捗状況を視察する予定である。

昨年CNVはFATFの推奨する暗号資産サービス・プロバイダー(VASP)を組み込むために、マネーロンダリング防止法を改正する提案を開始していたが、計画はとん挫していた。

ミレイ氏は現在、アルゼンチンをいわゆるFATFのグレーリストから除外することに注力しており、FATFの視察までに、行政命令を出すとみられている。

この新しい政令により、暗号資産を提供する企業・個人つまりすべてのVASPは、アルゼンチン拠点でなくても、CNVに登録し、同機関が提供するライセンスのもとで運営することが義務付けられる。

また、マネーロンダリング防止法を遵守するため、CNVに情報提供する必要があり、VASPはリスク報告書を作成し、疑わしい取引の報告義務を負うこととなる。

この動きは、初日からこれらに準拠できるとみられる大手暗号資産取引所と、準拠が難しく撤退を余儀なくされる小規模取引所及びP2P市場の明暗を分けることになりそうだ。

世界の金融システムを保護するために先進国のG7グループによって設立されたFATFのグレーリストには、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止するための対策が不十分な国が加えられる仕組みだ。

2021年にグレーリストに格下げとなったトルコは、暗号資産に関する法律案を同国議会に提出することを昨年10月に表明。リストからの脱却を目指していた。

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参考:iProUP
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者