Polygon LabとStarkWare、新証明技術「Circle STARK」発表

Polygon LabとStarkWareがCircle STARKを発表

ポリゴンラボ(Polygon Lab)とスタークウェア(StarkWare)が、両社の協力により開発した新たな証明システム「サークルスターク(Circle STARK)」が完成したことを2月22日に発表した。

「サークルスターク」は、ブロックチェーンのスケーリングのために開発された効率的なSTARK証明システム。これによりロールアップがより効率化され、現行のSTARK証明より高速かつ安価にトランザクションを処理可能だ。

なお同システムは、Polygon2.0に採用される暗号アルゴリズム「Plonky3」に搭載される予定とのことだ。

ポリゴンラボは、ポリゴン(Polygon)ブロックチェーンの開発を主導する企業であり、スタークウェアはイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンのスタークネット(Starknet)の開発を主導する企業だ。

今回発表された「サークルスターク」開発のための協力は、同じ業界で競合する2社が協力した形となった。

STARKは、Scalable Transparent Argument of Knowledgeの頭文字をとったもので、スタークウェアの創業者であるエリ・ベン・サソン(Eli Ben Sasson)氏が提唱したゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)技術。STARK証明システムは、同技術を活用した証明システムだ。

またロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

ポリゴンラボは昨年、ポリゴンの新しいロードマップ「Polygon2.0」を発表した。現在そのロードマップに向けて開発を進めている。同社は今年に入り「Polygon2.0」の一つの目標である「ポリゴンエコシステム内でのシームレスなブロックチェーンの接続」に向けた発表を行っている。

具体的には、1月25日にブロックチェーンを統合したネットワークの構築を目的にしたアグリゲーションレイヤープロトコル「アグレイヤー(AggLayer)」を発表。また今月9日にはEVM(イーサリアム仮想マシン)搭載のブロックチェーンでゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を生成する証明器「Type 1 Prover」を発表している。

スタークネットを運営するスタークネット財団(Starknet Foundation)は2月20日、同ブロックチェーンの取引手数料(ガス代)の支払いやステーキングに利用できる他、ガバナンス投票へ参加するためのトークン「STRK」のエアドロップを実施した。

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参考:サークルスタークホワイトペーパー
images:iStocks/BlackSalmon

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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