イーサリアム(ETH)のステーキング総量が約12.8兆円に、流通量25%がロックアップ

価格も高騰

イーサリアム(Ethereum)のビーコンチェーン上でステーキングされているETHの総額が、約12.8兆円相当に到達した。

記事執筆時点(2/16 17:00)でステーキングされているのは30,248,595ETH。この数字は、ETH流通量全体の約25%をロックアップしていることになる。

なおETHは今月に入って価格上昇をはじめ、記事執筆時点で2825ドル(約42万円)の値を付けている。

ステーキングとは、コンセンサスアルゴリズムの「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」を採用するブロックチェーンで実行が可能となっており、「バリデーター」と呼ばれるユーザーが、対象となる暗号資産を一定量保有(ロック)することで取引記録のブロック生成プロセスに参加し、報酬を得る行為のことだ。なおコンセンサスアルゴリズムとは、暗号資産のブロックを追加する際の合意形成のアルゴリズムである。

またビーコンチェーンは、イーサリアムのプルーフオブステーク(Proof of Stake)型のコンセンサス(合意)の実現を担うレイヤーであり、イーサリアム2.0を実装するため構築された。

イーサリアムでは2022年9月に「マージ(The Merge)」と呼ばれる大型アップデートが行われ、コンセンサスアルゴリズム「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」で稼働するエグゼキューションチェーン(イーサ1.0)から「PoS」で稼働するビーコンチェーン(イーサ2.0)へ移行された。これによりバリデータはETHをステーキングできるようになった。現在、ETHステーカーは4%の年利報酬を得ることができる。

また2023年4月にイーサリアムメインネットの大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」が実装完了した後には、イーサリアムメインネットにステークされたETHおよびステーキング報酬となるETHの出金機能が有効となっている。

現在イーサリアムでは、次期大型アップグレード「デンクン(Dencun)」のメインネット実装が3月13日に控えている。

なお「デンクン」で注目されているのは実行層の「カンクン」アップグレードで実装されるEIP-4844「プロトダンクシャーディング」導入だ。

「プロトダンクシャーディング」は、イーサリアムのノードが一時的にオフチェーンデータにアクセス可能になる技術。これによりネットワークスループットが向上し、トランザクション料金の削減やスケーラビリティが大幅改善し、レイヤー2ネットワークがより低コストでトランザクションを発行可能になることが期待されている。

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参考:Beacon Chain
images:iStocks/Yevhenii-Podshyvalov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者