コインベース、堅調な取引で2年ぶりに黒字を計上=ロイター

2年ぶりに黒字

コインベース・グローバル(Coinbase Global)は2月15日、暗号資産(仮想通貨)への関心の高まりによる取引量の好調で2021年以来となる四半期黒字を計上し、同社の株価は取引終了後に13%近く上昇した。

米証券取引委員会(SEC)が待望のビットコイン上場投資信託(ETF)を初めて承認したことで、暗号資産に対する投資家の熱意がここ数カ月で再燃した。

同ETFは今年1月に承認されたばかりだが、SECによる好意的な決定への期待から、ビットコイン(BTC)の価格は2023年の残り3カ月で57%上昇した。

その結果、暗号資産取引所コインベースの第4四半期の取引収益は64%増の5億2930万ドル(約795億円)に急増した。

CFRAリサーチの株式調査アナリスト、マイケル・エリオット(Michael Elliott)氏は、「今四半期の業績は、私たちの予想も市場の予想もはるかに上回る、例外的なものでした」と語る。

コインベースは現在、取引以外の事業を行うサブスクリプション&サービス部門の第1四半期が好調に推移すると予想している。

同部門からの収益は4億1000万ドル(約616億円)から4億8000万ドル(約721億円)と予想し、LSEGが予想する3億5622万ドル(約535億円)を上回った。

第4四半期、同部門からの収益は約33%増の3億7,540万ドル(約564億円)に急増し、最大の押し上げ要因はステーブルコイン収益だった。これは、コインベースがフィンテック企業サークル(Circle)との提携から得る利息である。

サークルは、コインベースと共同で管理するステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を発行している。

USDCを支える準備金の利子はコインベースの主要な収入源であり、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げにより高い収入を得ることができた。

全体として、同社は12月31日に終了した3ヶ月間で2億7340万ドル(約410億円)(1株当たり1.04ドル)の利益を計上した(前年同期は5億5700万ドル〔約837億円〕[1株当たり2.46ドル]の損失)。LSEGのデータによると、アナリストは1株当たり1セントの損失を予想していた。

エリオット氏は、「現物ETFによって、コインベースのプラットフォームから暗号資産に接触しようとする投資家が増えるかもしれない」と長期的な懸念を示した。

しかし、コインベースはそのような懸念を一蹴。

コインベースのCFOであるアレシア・ハース(Alesia Haas)氏は、「現物ビットコインETFは業界にとってプラスであり、コインベースにとってもプラスだ」と述べている。

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Reporting by Niket Nishant and Sri Hari N S in Bengaluru; Editing by Shinjini Ganguli and Anil D’Silva
翻訳:髙橋知里
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者