デロイトトーマツ、「Astar zkEVM」採用で野球テーマのNFTゲーム構築へ

デロイトトーマツが「Astar zkEVM」採用でNFTゲーム構築へ

デロイトトーマツコンサルティングが、同社保有のNFT開発ツールを「Astar zkEVM」に拡張し、野球をテーマにしたNFTゲームアプリ「ベースボールログコレクト(ベスログ)」のプロトタイプを構築したことを2月9日発表した。

「Astar zkEVM」は、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用した「Polygon CDK(ポリゴン・チェーン開発キット)」によって開発されるイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ソリューション。開発はステイクテクノロジーズ(Stake Technologies)が行っており、スターテイルラボ(Startale Labs)が提供する。現在はテストネット「zKatana(ズィーカタナ)」がローンチしており、メインネットは今月2月下旬にリリースされる予定だ。

デロイトトーマツによるとこの取り組みは、企業や団体による「Astar zkEVM」を使ったNFTを活用したサービス構築を支援した初の事例だという。また「Astar zkEVM」上における野球関連ゲームの構築としても初の事例になるとのことだ。

今回開発するゲームアプリは、デジタルを活用した現実世界の野球の打撃練習システムとのこと。練習の成績に応じてNFTの「エンブレム」が付与され、アバターの成長をゲーム感覚で楽しめる仕組みになっているという。同ゲームは将来的に、エンブレムを交換し合ったり、育てたアバターでチームを作って野球の試合に見立てた対戦ゲームを行う等、競い合って練習のモチベーションを向上させるゲーム要素を盛り込む予定とのこと。

なお今回のアプリ開発は、デロイトトーマツが受託した令和5年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツ×テクノロジー活用推進事業」によるものだという。同事業では、DXやテクノロジーを用いてスポーツデータを活用することで、スポーツをより身近に感じることができる機会の提供や、スポーツの付加価値を高め、新たな収益源となるための実証事業を目的としているとのこと。

また同事業では、中学生向け野球アカデミーの生徒を対象に、2024年1月から2024年2月にかけて実証事業を実施しているとのことだ。

デロイトトーマツは、NFTサービス構築に必要となるブロックチェーン上の基本的なプログラムをAPIとして保有・提供し、2023年6月にはポリゴン(Polygon)上で提供を開始したクリエイター支援プラットフォーム「LIFE LOG BOX」に導入するなど、様々なブロックチェーン上の効率的なサービス開発をサポートしている。

またステイクテクノロジーズは、異なるブロックチェーンの相互運用性(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクトであるポルカドット(Polkadot)のパラチェーン「アスターネットワーク(Astar Network)」を2022年1月にメインネットローンチしている。

「アスターネットワーク」は、ポルカドットエコシステム全体のシームレスな相互運用性の提供を目的としたプロジェクトであり、ポルカドットのバリデータによるセキュリティのもと、WASM(ウェブアセンブリ:ワズム)およびEVM(イーサリアムバーチャルマシン)といった仮想マシンへのアクセスを提供する他、開発者に資金提供する仕組みである「dAppステーキング」を提供している。

その一方でステイクテクノロジーズは昨年9月、「Astar zkEVM」の提供予定を発表した。

同ネットワークは、安全でスケーラブル、ガス効率の良いプラットフォームを企業に提供することに重点を置いたプロジェクトだ。アスターネットワークのエコシステムが提供してきた相互運用性に加え、zkp活用により高度な処理能力・拡張性(スケーラビリティ)・安全性・UXを実現できると発表されている。またブロックチェーン最大規模のユーザー数を有するイーサリアムの拡張機能であるレイヤー2技術を実装し、EVM環境と同等のEVM等価性を保持しているとのことだ。

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参考:デロイト
images:iStocks/Sundry-Photography

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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