クレイグライトが自身の主張を裏付ける文書の偽造を否定
ビットコイン(Bitcoin)を発明したと主張するオーストラリアのコンピュータ科学者クレイグ・ライト(Craig Wright)氏が、「激しく議論されている自らの主張を証明するために、文書を偽造したことは一度もない」と英ロンドンの法廷で語った。同氏は、暗号資産(仮想通貨)の所有権をめぐる法廷闘争で証拠を固め始めた。
ライト氏は、2008年に「サトシ・ナカモト」の名で発表されたビットコインの基礎となるホワイトペーパーの著者であると語っている。
それに対しクリプト・オープン・パテント・アライアンス(COPA)は、ライト氏を法廷に訴えた。それは、ライト氏がビットコイン開発者を訴えるのを阻止し、世界で最も有名で最も人気のある暗号資産のオープンソースの性質を維持するためだという。
COPAはロンドン高等裁判所にライト氏がサトシではないとの判決を下すよう求めている。COPAによると、ライトは自分の主張を立証するために何度も文書を偽造し、その偽造が発覚すると話を変えたという。
しかしライト氏は偽の記録に頼ったことを否定し、本物でない文書については元弁護士や同僚を含む他人のせいだと主張している。
サトシ・ナカモトの正体に関する長年の憶測の集大成ともいえるこの一か八かの公聴会で、54歳のライト氏は2月6日、6日間に及ぶ証言の第一回目を開始した。
COPAの弁護士ジョナサン・ハフ(Jonathan Hough)氏はライト氏に対し、「サトシ・ナカモトであるという主張を裏付ける文書を偽造または改ざんしたことがあるか?」と尋ねた。 ライト氏は「いいえ」と答えた。
ハフ氏は、ライト氏がサトシ・ナカモトという名前を使用する決断をしたと主張する手書きのメモが記載された学術論文など、多数の捏造疑惑をライト氏に突き付けた。
COPAによればこの文書には、ビットコインホワイトペーパー公開より前のものであるかのように見せるため、目に見えるほど異なるフォントで数字が書かれた偽造タイムスタンプが含まれているという。
ハフ氏はライト氏に「これは起源神話の一部としてあなたが偽造した文書です」と言った。
ライト氏は文書を偽造していないとし、「もし私がその文書を偽造していれば完璧だっただろう」と付け加えた。
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