セルシウスがチャプター11を終了、債権者へ約4400億円の分配開始へ、新会社設立も

債権者へ分配開始

破産した暗号資産(仮想通貨)レンディング企業セルシウスネットワーク(Celsius Network)が、連邦破産法第11章(チャプター11)の終了と、新たにビットコイン(BTC)マイニング会社「アイオニックデジタル(Ionic Digital, Inc.)」を立ち上げたと1月31日発表した。

アイオニックデジタルは今後4年間、暗号資産マイニング企業のハット8(Hut 8)によって管理され、CEOはハット8の最高商業責任者(CCO)のマット・プルサック(Matt Prusak)氏が務めるとのこと。

セルシウスによると、アイオニックデジタルは「債権者への弁済を継続して提供」し、その株式は「必要な承認が得られ次第、上場される予定」だという。

セルシウスの再建計画は、債権者の約98%が同意し、ニューヨーク南部地区破産裁判所によって承認された。

同計画にはアイオニックデジタルの設立以外に、30億ドル(約4393億円)以上の暗号資産と法定通貨を債権者に分配することが含まれる。

また事業再編の一環として、セルシウスは2月28日までにモバイルおよびウェブ・アプリケーションを廃止し、事業を縮小する。

同社は、アルトコインの転換や和解等により債権者に弁済できる暗号資産を約2億5000万ドル(約336億円)増やしたことを報告している。

なお債権者がXにて共有した情報によれば、債権者への分配はペイパル(PayPal)やベンモ(Venmo)、コインベース(Coinbase)を通じて行われる予定のようだ。 同社はまた、連邦取引委員会と47億ドルで和解し、司法省(DOJ)、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)とも和解した。

セルシウスは2022年7月、「連邦破産法11条」の適用をニューヨークの破産裁判所に申請。裁判所に提出された書類によると、同社の負債額は10億ドルから100億ドル(当時の価格で1350億円から1兆3500億円)の範囲となっており、主要な債権者にはファロス・USDファンド(Pharos USD Fund)、ICBソリューションズ(ICB Solutions)、アラメダ・リサーチ(Alameda Research)などがリストされていた。

セルシウスの共同創業者で元CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏は、1933年証券法の登録および詐欺防止規定、1934年証券取引法の詐欺防止規定に違反した罪に問われているが、同氏はこれを否定している。

マシンスキー氏は現在、4000万ドル(約5.8億円)の保釈金で釈放されており、裁判は2024年9月に行われる予定だ。

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参考:裁判資料
images:iStocks/metamorworks

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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