「現物イーサリアムETF」承認は5月23日との予想。スタンダードチャータード銀リサーチャー=報道

強気予想も

金融サービス大手のスタンダードチャータード(Standard Chartered)銀行のリサーチャーは、米証券取引委員会(SEC)が5月23日に現物イーサリアムETF(上場投資信託)を承認すると読んでいるようだ。ブロックチェーンメディアのザ・ブロック(The Block)が1月30日報じている。

報道によれば、同行の外国為替・デジタル資産リサーチ責任者であるジェフリー・ケンドリック(Geoffrey Kendrick)氏は、1月29日に発表したレポートにて同ETFが5月23日に承認されると予想。ETHの価格が、現物ビットコインETF承認までのBTC価格の動きと同様の動きをすれば、ETHは現物承認までに4,000ドル(約590,800円)程度で取引される可能性があるとの見解も示した。

また同氏はこの際に承認されるのは、イーサリアムの値動きを反映する単純なイーサリアムETFのみであり、利回りの報酬をステーキングするETFは追って承認されると予想している。

また同氏は、グレースケールがETF転換を申請しているイーサリアム信託「グレイースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」にも言及。その承認が却下されれば、グレースケールによる別の訴訟が起きる可能性があると指摘した。

SECはグレースケールのビットコインETFへの転換の承認拒否を続けていたが、控訴裁はSECは拒否をやめ再検討すべきと裁定。1月10日に同ビットコインETFは転換され、「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」は承認された。

ケンドリック氏は、ビットコインETF転換の際の慣行がイーサリアムに適用されない根本的理由は見当たらないとの考えを示している。

ケンドリック氏は、現物ビットコインETF承認前、承認されたファンドらが今年500億ドル(約7兆円)から1000億ドル(約13兆円)の資金流入を集めると予想し、その結果、ビットコイン価格は年末までに100,000ドル(約1500万円)、2025年末までに200,000ドル(約3000万円)まで上昇すると読んでいた。

同氏はこのビットコイン価格予想から変更はないとし、現物ビットコインETFに安定した資金流入が見込まれることから、ビットコインの価格はじわじわ上昇すると述べている。

また同氏は、イーサリアムの現物ETFは、ビットコインのそれよりも売りの影響を受けないと予想。理由は「グレイースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」の時価総額が、承認前のGBTCより少なく、破綻した暗号資産取引所FTXによる保有率がさらに低いからだとしている。

FTXはGBTC承認後、破産手続きの一環で同ETFを約10億ドル(約1,482億円)分売却していた。

ケンドリック氏はまた、イーサリアムが予定している次期アップグレードのデンクン(Dencun)などがETHの価格に利益をもたらすと予想。同氏は、同アップグレードによりL2の手数料が低下され、ETHの競争力を高まることで、より緩やかなステーキングがより長期間ステーキング報酬を高く維持するため、ETHエコシステム内でより多くの価値が取り込まれると見ており、これらの要因でETHの価格が上がると予想している。

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参考:ザ・ブロック
images:iStock/Funtap

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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