金融庁、「他社発行暗号資産の税制改正」に関連するパブコメ募集開始

金融庁が「他社発行暗号資産の税制改正」に関連するパブコメ募集

金融庁が、「暗号資産交換業者に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」を公表し、同案に関するパブリックコメントを1月29日募集開始した。

この案は、移転制限付きの暗号資産(仮想通貨)について暗号資産交換業者に情報提供義務及び公表義務を課す旨の、暗号資産交換業府令の改正するものだ。

なおこの改正案は、令和6年度税制改正大綱に記されている「法人における暗号資産の期末時価評価課税」の他社発行分に関するものとなる。なお同税制改正大綱は昨年12月に閣議決定されている。

同制改正大綱には、他社発行分の暗号資産を「一定の要件下」で「期末時価評価課税」の対象外とすることが記載されている。

その要件定義としては、令和6年度税制改正大綱の72pに以下のように記載されている。

  • (注1)上記の「譲渡についての制限その他の条件が付されている暗号資産」とは、次の要件に該当する暗号資産をいう。
  • ①他の者に移転できないようにする技術的措置がとられていること等その暗号資産の譲渡についての一定の制限が付されていること。
  • ②上記①の制限が付されていることを認定資金決済事業者協会において公表させるため、その暗号資産を有する者等が上記①の制限が付されている旨の暗号資産交換業者に対する通知等をしていること。

この内容から課税対象外となる他社発行分の暗号資産には、「他者に移転できないようにする技術的措置がとられていること等、該当の暗号資産の譲渡について一定の制限が付され」かつ、それを暗号資産を有する者等が前述の「制限が付されている旨の暗号資産交換業者に対する通知等をしていること」、その2つの条件を満たす必要があると読み取れる。

今回の「暗号資産交換業者に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」については、上記2つめの条件となる「制限が付されている旨の暗号資産交換業者に対する通知等をしていること」に関して、暗号資産交換業者に移転制限付きの暗号資産について情報提供義務及び公表義務を課す旨の改正案となっている。

なお同案は、パブリックコメント終了後に所定の手続きを経て公布、施行・適用されるとのこと。

パブリックコメントは、2月26日24:00まで受け付けるとのことだ。

ちなみに法人における「自社発行分」暗号資産の期末時価評価課税については、昨年6月に正式に対象外となっている。

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参考:金融庁改正内容
images:iStock/olegback・keko-ka

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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