取引機関を個人顧客にも開放
スイスのフィンテック企業トーラス(Taurus)が、スイスの金融市場監督庁(FINMA)の認可を受け、小売顧客に対して「トークン化された証券」の提供を開始したことを1月23日発表した。
これにより、トーラスは従来の機関投資家や専門家顧客に加え、個人投資家へも同社の金融サービスとデジタル資産の取引機関「TDXマーケットプレイス」を提供できるようになったとのこと。個人投資家は「デジタル資産」と「トークン化された証券」を安全かつコンプライアンスに準拠した方法で取引できるようになるという。
なお「TDXマーケットプレイス」では、暗号資産(仮想通貨)の他、スイスフラン(CHF)、ユーロ(EUR)、米ドル(USD)を使用した取引が可能だ。
また今回トーラスは、株式を発行するために複数のスイス企業が「TDXマーケットプレイス」を優先取引所に選定したことも発表している。
具体的には、インベスティス(Investis)株式上場不動産グループ、ラ・モビリエール(la Mobilière)、クオカ(Qoqa)、SCCF ストラクチャード コモディティ&コーポレート ファイナンス(SCCF Structured Commodity & Corporate Finance)、スイスロック不動産グループ(Swissroc real estate Group)、テイラー(Teylor)らだ。
トーラスは昨年9月、デジタル資産のカストディとトークン化サービスを顧客へ提供するため、ドイツ銀行(DBK)と提携していた。
なおドイツ銀行は、2023年2月にトーラスが実施した6,500万ドルのシリーズB資金調達ラウンドにも参加している。
TDXの製品責任者であるヤン・イソラ(Yann Isola)氏は「当社の中核的な信念は、プライベート・マーケット2.0をデジタル化し、プライベート・セキュリティーをアマゾンで本を買うのと同じくらい簡単に買えるようにすることだ。デジタル資産分野で最も急成長している市場分野である実物資産(RWA)のトークン化に対する需要の高まりは、この信念を実証するものだ」と述べている。
またトーラスによると「TDXマーケットプレイス」が個人投資家も使えるようになったことは、発行体と投資家双方にメリットがあるという。
企業はプライマリー市場とセカンダリー市場の両方にアクセスできるようになり、個人投資家とプロの投資家にサービスを提供し、デジタル証券の流動性を高められるとのこと。
また企業は独自の取引セグメントを確立し、オークション・ベースや継続的な取引を通じて流動性を調整することができるため、効率的な資金調達やデジタル証券のリアルタイム管理が容易になるという。
そして増資に参加した個人投資家は、ユーザーフレンドリーで安全なプラットフォーム上でデジタル証券をシームレスに取引できるようになり、従来通り取引していたプロ投資家は、より流動性の高い市場や資本参加というメリットを享受できるとトーラスは説明している。
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参考:発表
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