バイナンスのタイ部門「Binance TH by Gulf Binance」、サービス提供開始

バイナンスのタイ部門がサービス提供開始

海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のタイ部門となる「バイナンス TH(Binance TH by Gulf Binance)」のサービス提供開始が1月16日発表された。当初バイナンスがタイ市場へ参入するとしてから今回の発表に至るまで2年が経過している。

なおタイにおいてバイナンスは、同国のIT関連企業ガルフイノーバ(Gulf Innova Company)との合弁会社ガルフバイナンス(Gulf Binance)を設立し、同社を通じて「バイナンス TH」の運営を行っている。

「バイナンス TH」のサービス提供開始にあたりガルフバイナンスは、昨年5月にタイ財務省からデジタル資産オペレーターライセンスを取得。

また昨年11月には、ガルフイノーバの親会社であり、タイ最大の独立系発電企業ガルフエナジーデベロップメント(Gulf Energy Development)が、デジタルアセット事業を開始する旨の報告書をタイ証券取引所(SEC)へ提出していた。

その際に2024年初めにガルフバイナンスによる暗号資産取引所を開設するとしていた。

今回の発表によると「バイナンス TH」では、タイバーツ(THB)取引ペア向けに設計された専用のオーダーブックを実装し、タイのユーザーが現地通貨ペアでデジタル資産をシームレスに売買できるようになっているという。

また同取引所では、アスタナ金融サービス局(AFSA)の監督下にあるカザフスタンの規制対象地域のデジタル資産取引所であるバイナンスカザフスタン(Binance Kazakhstan)とオーダーブックを統合することで、ユーザーは「バイナンスTH」のプラットフォームを通じてデジタル資産仲介サービスにもアクセス可能とのことだ。

なおバイナンスは2021年7月、タイSECより同国にてライセンス無しでデジタル資産ビジネスを運営しているとし、刑事告訴されていた。

その後バイナンスは、2022年1月にガルフイノーバと、タイでの暗号資産取引所設立に向けてMoU(覚書)を締結。

続けて同年4月には、バイナンスの米国拠点バイナンスUS(Binance US)が、ガルフエナジーデベロップメントよりシリーズシードの優先株式で資金調達を実施。その資金により、人員拡充やマーケティング活動、プロダクト拡大、将来的な買収の資金に充て、2、3年後に米国でIPO(新規株式公開)を進めるとしていた。

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参考:バイナンス
images:iStocks/Abscent84・intriceight

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。