【追記】米SEC公式Xがまさかのフェイクポスト、「現物ビットコインETF承認」誤報でBTC価格は乱高下。原因は調査中

法的執行機関と協力も

米証券取引委員会(SEC)の公式Xアカウントが何者かによって侵害され、同アカウントから現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)承認に関するポストが行われた。SECは直ちにそれを正式に否定している。

SECの公式Xアカウントは1月10日6:00頃、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長のコメントを引用するような画像とともに、SECがビットコインETF上場を承認したとするポストを行った。

その数分後、ゲンスラー委員長は自身のXにてこれを否定。「SECのツイッターアカウントが侵害され、不正なツイートが投稿された。SECはビットコインの現物取引所商品の上場と取引を承認していない」とポストしている。

なお記事執筆時点(2024年1月10日9:30)でSECの公式Xから虚偽のポストは消されており、改めてSEC公式Xは「SECのXアカウントが侵害され、不正な投稿が行われた。SECはビットコインの現物取引所商品の上場と取引を承認していない」と声明を出している。

この虚偽の発表により、ビットコインの価格は一時約47,600ドル(約688万円)まで急騰。SECが公式にETF上場を否定した後、その価格は約45,500ドル(約658万円)まで下落した。(コインマーケットキャップ調べ)

なおSECによれば、虚偽のポストはSEC職員によるものではないという。

また暗号資産インフルエンサーのウォルター・ブルームバーグ(*Walter Bloomberg)氏によれば、現在SECは法的執行機関と協力しハッキングを調査するとのことで、証券会社、「未知の人物」がXアカウントにアクセスしたと声明を出しているという。

またXについてもSECのアカウント漏洩の原因を調査中であるとのことだ。

現在、暗号資産運用会社グレイスケール、ブラックロック(BlackRock)、インベスコ(Invesco)、アーク・インベストメンツ(ARK Invest)など13社が、ビットコイン価格に連動するETFをSECに申請中だ。

※以下2024.1.10 12:40追記

Xは、今回の米SECによる誤報のポストについて予備調査終了を報告。今回のポストはXのシステムが侵害されたものでなく、正体不明の人物が第三者を通じてSECのアカウントに関連する電話番号の管理権を取得したことが原因であるとのこと。なおSECのアカウントが、2段階認証を有効にしていなかったことも報告されている。

関連ニュース

images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した