イーサリアム次期大型アップグレード「Dencun」、テストネット実装日が決定

イーサリアム次期大型アップグレード「Dencun」のテスト実施へ

イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレードとなる「デンクン(Dencun)」を、テストネットに実装する日程が再確認され決定した。

このことは1月4日に実施されたイーサリアムの「実行層(EL:Execution Layer)」に関わる開発者による定例会議「ACDE#178(Execution Layer Meeting 178)」で決定した。

「ゴエリ(Goerli)」テストネットでの実装は、前回の定例会議で話された通り1月17日に行うことが再確認され合意された。

ただし「セポリア(Sepolia)」および「ホルスキー(Holesky)」での実装はそれぞれ1月30日、2月7日と決定したが、これについては意見が分かれており現段階では暫定的な決定となっている。

このことは、「ゴエリ」での実装後13日間でのアップデート調整を実施することが難しいため、「もう少し遅らせた日程で行うべきである」という意見を反映したことによる判断だ。

しかし、次回の定例会議である「ACDE#179(Execution Layer Meeting 179)」が1月18日に予定されていることから、「ゴエリ」で問題が発生した場合には予定を再調整できるため、1月30日および2月7日で暫定的な決定に至った。

「デンクン」実施後の今後のアップグレードについての議論

今回の会議ではこの他にも、「デンクン」の次に実施する大型アップグレードについての大まかな議論が行われた。

次期アップグレードはプラハ(Prague)アップグレードとエレクトラ(Electra)アップグレードを合わせた「ペクトラ(Pectra)」アップグレードと命名されている。

この「ペクトラ」アップグレードでは、ノードオペレータが保存する必要があった大量のステートデータを削減することを可能にするデータ構造である「ヴァークルツリー(Verkle Trees)」の採用を目指し、注力することに全員が同意している。

具体的には、「ヴァークルツリー」実装のみを優先させる意見と、同時に幾つかの小さな変更を行う意見とで対立が見られたが、どちらも「ヴァークルツリー」の実装を行うことには同意している。

このアップグレードは容易なものではなく、もし実際に次期アップグレードが「ヴァークルツリー」の実装を行うものになれば、1年から2年の間は新機能がイーサリアムに実装されないことも考えられるとのこと。

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参考:ACDE#178アーカイブ
images:iStock/olegback

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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