罰金と不正利益の破棄へ
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と、米商品先物取引委員会(CFTC)との間で和解が成立した。CFTCが12月18日報告している。
その報告によればCFTCは、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所のマニッシュ・S・シャー(Manish S. Shah)判事が12月14日に発表した和解を承認したという。
この和解により、バイナンスの前CEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏は1億5000万ドル(約214億円)の罰金を支払うことになり、その3分の1は今後30日以内に支払うことになっている。またバイナンスはCFTCに13.5億ドル(約2,000億円)の罰金を支払うとともに、バイナンスが不正に得たとされる取引手数料の13.5億ドル(約2,000億円)を破棄することになった。
事件の背景
またCFTCの報告文では、裁判所から認定されたバイナンスの罪を引き合いに出して事件の背景が説明された。バイナンスはCZ氏の指示のもと、米国内の顧客を積極的に勧誘したり、自社の利用規約に違反し、少なくとも2社のプライムブローカーに、バイナンスの本人確認(KYC)手続きの対象とならない「サブアカウント」を開設させ、米国顧客がプラットフォーム上で直接取引できるようにしたとCFTCは述べている。
またCZ氏とバイナンスは、米国の規制要件を認識していたが、それを無視することを選び、プラットフォーム上に米国顧客がいることを故意的に隠したり、CZ氏をはじめとしたバイナンスの幹部らが米国顧客にコンプライアンス管理を回避するよう指示する等、米国法違反を積極的に助長したとのこと。これらは裁判にて認定されているとCFTCは強調している。
またシャー判事による別の命令では、バイナンスの元チーフ・コンプライアンス・オフィサーのサミュエル・リム(Samuel Lim)氏に対し、バイナンスの違反を幇助し、米国外で故意に米国法を回避する、または回避しようとする活動に従事したとして、150万ドル(約2億円)の民事罰金の支払いが求められているとのことだ。
バイナンスの和解
CZ氏は11月22日、バイナンスが効果的なマネーロンダリング防止プログラムを保てない原因を故意に作ったとして有罪を認めた後、11月23日にバイナンスのCEOを辞任。11月29日にはバイナンスUS(Binance.US)の会長職を退き、CZ氏は今後、バイナンスの米国部門のガバナンスに関与しない意思を表明していた。
バイナンスは11月、CFTC、財務省、司法省を含む米国当局との和解のため、合計で約43億ドル(約6,370.3億円)の罰金を支払うことに合意している。
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参考:CFTC
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