セーフムーンがチャプター7を申請、幹部らの逮捕とSECの告発受け

セーフムーンが破産申請

暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのセーフムーン(SafeMoon)が、ユタ州地区連邦破産裁判所に連邦破産法第7章の適用を12月14日申請した。

連邦破産法第7章(チャプター7)は、日本でいうところの「破産法」に相当する。

民事再生手続に相当する連邦破産法第11章(チャプター11)と違い、チャプター7では、倒産手続が開始すると、債権者による個別の債権取立行為は自動的に禁止され、企業は解体。会社の財産はすべて債権者へ分配されることとなる。

提出書類によれば、セーフムーンの推定資産は1000万~5000万ドル(約14億~約71億円)、推定負債は100,001~50万ドル(約1,422万~約7,110万円)とのことだ。

米司法省は11月、セーフムーンと同社創業者を含む幹部らを数千万ドルの投資家資金を流用した詐欺容疑で起訴した。

起訴されたのは、創業者のカイル・ナジ(Kyle Nagy)氏、最高経営責任者のブレーデン ジョン・カロニー(Braden John Karony)氏、元最高技術責任者のトーマス・スミス(Thomas Smith)氏だ。

また米証券取引委員会(SEC)は、セーフムーンが発行する「SafeMoon」トークン(SFM)の無登録販売の疑いで、被告らに関連する民事告発を行った。

なお「SafeMoon」は評価額が80億ドル(約1.2兆円)を超えたこともあった。

セーフムーンは、トークンの流動性を高めるため、投資家の資金はプールに安全に「ロック」され、誰も引き出すことができないと投資家に約束し、嘘をついたとされている。

しかしそれは実現せず、投資家たちはプールがロックされていないことを知り、大きな損失を被った。その一方で被告たちは資金を引き出してマクラーレンやポルシェの高級スポーツカーや豪邸を購入したり、高価な旅行をしたと捜査当局は述べている。

カロニー氏はユタ州のプロボ、スミス氏はニューハンプシャー州ベツレヘムで11月に逮捕されたが、ナジ氏は依然として逃走中だ。

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参考:申請書類
images:iStocks/taa22

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者