バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、ステーブルコインのリスク基準調整提案を公表

BCBS、ステーブルコインを低リスク基準にする案

G10(主要10カ国)諸国の中央銀行総裁会議での合意によって創設された機関であるバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が、暗号資産(仮想通貨)に関するリスク基準の調整協議を12月14日発表した。

この調整案では、銀行によるステーブルコインへのエクスポージャーに関する要件を更新することが提案された。

具体的には、ステーブルコインを安定化メカニズムを有すると主張する「グループ1b」に含めることが検討されている。

なおステーブルコインが「グループ1b」に分類されると、この資産は既存の資本フレームワークの要件に従うことになる。そうなれば、BCBSがビットコイン(BTC)などの裏付けのないとする暗号資産に課す大きなリスク・ウェイト(RW)を推奨する基準が当てはまらず、規制上で優遇措置の恩恵を受けられることとなる。

なおこの規制上の優遇措置を受けるためには、ステーブルコインは「いつでも換金可能」であることが義務付けられる。

また銀行に対しては、銀行がエクスポージャーを持つステーブルコインの安定化メカニズムとその有効性を十分に理解していることを確認するため、デューデリジェンスの実施も求められている。

このデューデリジェンスの一環として、銀行は統計的なテストなどを実施し、リファレンス資産と比較して安定的な関係を維持していることを実証することが義務付けられる。

なおこの調整案に対するコメントは2024年3月28日まで受け付けられている。

BCBSは昨年、低リスクのステーブルコインを確実に識別できるテストがあれば、グループ1bに追加するのに必要な判断基準として追加することができるため、さらなる検討を行うとしていた。

BCBSは先週7日、銀行がステーブルコインによるリスクを補填するための資本をどのように確保すべきかについて改正の可能性を協議していた。

その際にBCBSは、安定化メカニズムを有すると主張する「グループ1b」のステーブルコインについて定めた基準の「的を絞った修正の可能性」について、今月末に協議すると発表していた。

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参考:BCBS
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者