「Bitcoin Core」がメジャーアップデート
ビットコイン(Bitcoin)ネットワークの主要なノードクライアント実装である「ビットコインコア(Bitcoin Core)」の新バージョン「v26.0」が12月6日にリリースされた。
今回のアップデートの主な内容は、追加機能の実装およびバグ修正、パフォーマンスの向上だ。
新しく追加された主な機能としては、BIP−324で定義されている「Bitcoin P2Pトランスポートプロトコル」の新バージョンである「バージョン2 P2P 暗号化トランスポートプロトコル(Version 2 P2P Encrypted Transport Protocol)」の実験的な実装だ。
なお「Bitcoin P2Pトランスポートプロトコル」は、ノード間のP2P通信の際に使用されるプロトコルのこと。現在使用されている「Bitcoin P2Pトランスポートプロトコル」では、ビットコインネットワーク内のノード同士のP2P通信は全て公開されており、それによりプライバシーや攻撃耐性という点での懸念点が存在した。
今回実装される「バージョン2 P2P 暗号化トランスポートプロトコル」では、ノード間のP2P通信を暗号化することでプライバシーを向上させつつ、ノードへの攻撃コストを引き上げることで攻撃に対する耐性が向上するとのこと。
なお「バージョン2 P2P 暗号化トランスポートプロトコル」は、標準ではオフに設定されており手動でオンに切り替えることで利用可能になるとのことだ。また以前のバージョンのプロトコルのサポートは終了するわけではなく、これからも継続されるという。
またこの実装に加えて、ノードをP2Pネットワークから孤立させる「エクリプス攻撃」への耐性を高めるよう、ノードがアウトバウンド通信を行える接続を積極的に探すような実装も行ったともリリースノートで述べられている。
ビットコインネットワークでは現在、ビットコインの最小単位である1satoshi(0.00000001BTC)に通し番号をつけ、ひとつのsatoshiに任意のデータを紐づけるプロトコル「オーディナル(Ordinals)」を利用したトークン規格が出現し大きな市場を形成している。
しかしながらこのトークン規格はその特性上ビットコインネットワークを混雑させてしまうため、ビットコインネットワークの手数料を過剰に高騰させたり、取引速度を低下させたりしてしまうという問題を抱えている。
「ビットコインコア」の開発者の一人であるルーク・ダッシュジュニア(Luke Dashjr)氏はこれに対し、スパム攻撃であるという見方を示しており、同氏のX(旧ツイッター)アカウントにて「v27」の実装までに修正を行う見通しを述べている。
PSA: “Inscriptions” are exploiting a vulnerability in #Bitcoin Core to spam the blockchain. Bitcoin Core has, since 2013, allowed users to set a limit on the size of extra data in transactions they relay or mine (`-datacarriersize`). By obfuscating their data as program code,…
— Luke Dashjr (@LukeDashjr) December 6, 2023
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参考:ビットコインコアリリースノート
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