タロスと提携し暗号資産取引コスト削減へ
ブラジルのデジタル銀行Nubank(ヌバンク)が、デジタル資産の機関投資家向け取引技術を提供するタロス(Talos)との提携を12月5日発表した。
タロスとの提携によりヌバンクは、ブラジル・レアル建ての暗号資産取引を希望する顧客に対し、タロスのスマート・オーダー・ルーティング・エンジンによるコスト削減と、複数の流動性プロバイダー間での取引執行を最適化する接続性を提供できるようなった。
タロスは、ヌバンクの暗号資産取引プラットフォーム「ヌバンククリプト(Nubank Cripto)」へ、顧客取引専用に開発されたアルゴリズム、リアルタイムの市場データ統合、執行分析、コンプライアンスツールを提供しているとのことだ。
タロスは、流動性調達、価格発見、取引執行、決済、貸し出し、借り入れを含むデジタル資産取引をサポートする機関投資家グレードの技術インフラを提供する企業だ。
同社の注文執行管理技術は、パートナー企業とその先の顧客に高度な取引機能と効率性を提供しており、主要機能として、様々な流動性プロバイダーへのスマートな注文ルーティングがある。
サークルとも提携、USDCを提供可能に
またヌバンクはタロスとの提携と同日に、米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米サークル(Circle Internet Financial)との提携も発表している。
サークルとの提携によりヌバンクは、顧客向けにUSDCを提供できるようになったとのこと。
ヌバンクの顧客は、ブラジル、メキシコ、コロンビア全土で9000万人規模だという。
USDCのサポートはまず「ヌバンククリプト」の一部として展開され、ユーザーはUSDCを購入・保有することが可能だ。
またヌバンクは、将来的にUSDCをヌバンクの広範なデジタル・バンキング・プラットフォームに統合させることを検討しており、顧客へUSDCを利用したブロックチェーン・ベースの金融サービスを提供する可能性を示した。
サークルのCEO兼共同創設者であるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、「ラテンアメリカ全域でドルへのアクセスに対する強い需要が続いており、特にブラジルでは、同地域におけるデジタル通貨の使用と普及の原動力として台頭している。ヌバンクとのパートナーシップは、USDCの世界的なリーチを拡大する重要な瞬間であり、新しいインターネット金融システムの構築に向けた重要な一歩だ」と述べている。