仏ソシエテ、イーサリアム上でユーロ建てグリーンボンド発行

取引額は約16億円で満期は3年

仏大手銀行ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)が、イーサリアム(Ethereum)上でユーロ建てグリーンボンドを発行したことを12月4日発表した。同ブロックチェーン上でグリーンボンドを発行するのは同社初となる。

この債券は「サステナブル&ポジティブ・インパクト・ボンド(Sustainable and Positive Impact Bond)」と名付けられ、同社暗号資産(仮想通貨)部門SGフォージ(SG Forge)がセキュリティトークン(ST)として11月30日に発行したとのこと。同STは1,000万ユーロ(約16億円)の優先無担保社債で、満期は3年だという。

また同STは、機関投資家のAXAインベストメント・マネジャーズ(AXA Investment Managers)とジェネラリ・インベストメンツ(Generali Investments)が私募を通じて全額引受済だという。

なお債券の正味収入に相当する金額は、同STの枠組みで定義される「適格なグリーン活動」の資金調達または借り換えにのみ使用されるとのことだ。

ソシエテ・ジェネラルはまた、「発行体と投資家のためのデータリポジトリと認証ツールとして」ブロックチェーンを使用することで、ESG(環境・社会・ガバナンス)とインパクト指数(事業や活動の結果として生じた、社会的・環境的な変化や効果を示す指標)に関する透明性を世界規模で促進すると述べている。

また同STのスマート・コントラクトには、カーボンフットプリントに関する情報が紐づけられており、24時間365日オープンアクセスで利用可能だ。これにより、発行体と投資家は、債券に関する炭素排出量を測定することができるという。

ソシエテジェネラルについて

ソシエテ・ジェネラルは、フランスにおいてBNPパリバに次ぐ大手銀行だ。またSGフォージは今年7月、仏金融規制当局からデジタル資産サービスプロバイダー(DASP)の認可を受けた。なおフランスの金融当局よりライセンスを取得したのは、SGフォージが初の事例となった。

また同社は2021年4月に、テゾス(Tezos)のパブリックブロックチェーン上にセキュリティトークンを発行している。その際に発行されたトークンは500万ユーロ(当時約6億円)相当の仕組み商品としてグループ会社のソシエテ・ジェネラルアシュアランス(Societe Generale Assurances)が全額取得したとのこと。

ソシエテ・ジェネラルアシュアランスについては、2019年4月にイーサリアムブロックチェーン上で1億ユーロ(当時約130億円)相当のカバーボンド(債権担保付き社債)のセキュリティトークン発行や、フランスの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実験として2020年5月に4,000万ユーロ(約50億円)相当のカバーボンドセキュリティトークンを発行している。

ソシエテ・ジェネラルは4月、SGフォージを通じユーロ(EUR)建てのステーブルコイン「EURコインバーチブル:EUR CoinVertible」を発行している。

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参考:ソシエテ・ジェネラル
image:iStocks/nevarpp

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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