機関投資家、適格投資家、個人投資家にサービス提供可能に
デジタル資産投資プラットフォームのファセット(Fasset)が、ドバイ首長国の規制当局であるドバイ暗号資産規制機関(Dubai Virtual Asset Regulatory Authority:VARA)から暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー(VASP)ライセンスを11月29日取得した。
VARAのウェブサイトによると、ファセットに付与されたVASPライセンスは、ドバイでブローカー・ディーラー・サービスの提供を許可するものだという。
ライセンスの条件として、機関投資家、適格投資家、個人投資家にサービスを提供することが認められているとのこと。
ファセットはかつてロンドン拠点であったが、現在はインドネシアとドバイで事業を展開している。ファセットのウェブサイトによれば、インドネシア、マレーシア、バングラデシュ、パキスタン、トルコでもサービスを提供しているという。
VARAのライセンス取得プロセス
MVP(Minimal Viable Product)ライセンスは、ドバイにおける暗号資産に関するサービス提供を行うにあたり、取得するべき免許だ。同国規制機関のVARAが審査を行い、ライセンスを付与する。同ライセンスには3段階のプロセスがあり、暫定承認ライセンスから始まり、準備ライセンスに続き、運用ライセンスで最終となる。また各ライセンス取得にあたり事前登録も必要となる。
なお暗号資産の活動ライセンスとしては7つの区分が規制対象となっている。これには「アドバイザリー」、「ブローカー・ディーラー」、「カストディ(保管)」、「交換業」、「レンディング(貸し借り)」、「移転・決済」、「管理・投資サービス」がある。
ドバイにおける他社動向
ドバイは暗号資産関連企業において戦略的地域といえるだろう。
暗号資産取引所OKX(オーケーエックス)は昨年7月にMVP(Minimum Viable Product)の暫定ライセンスを取得。6月15日には、準備ライセンスを取得している。
暗号資産取引所クリプトドットコム(Crypto.com)も昨年6月に暫定ライセンスを取得したのち、今年3月に準備ライセンスを取得している。
7月31日、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)が、VARAより運用MVPライセンス(Operational Minimum Viable Product:Operational MVP)を取得。なおバイナンスの発表によれば、運用MVPライセンスを取得した取引所はバイナンスが初とのことだ。
8月2日には、野村ホールディングスの関連子会社「レーザーデジタル(Laser Digital)」のドバイ支部にあたる「レーザーデジタルミドルイーストFZE(Laser Digital Middle East FZE)」が、VARAから営業ライセンスを取得している。
8月22日にはカストディサービスを提供するコマイヌ(Komainu Holdings Limited)がMVPライセンスを完全取得し、VARAからMVPライセンスの認可を受けた初の機関投資家向けデジタル資産カストディアンとなっている。
11月15日には香港のデジタル資産カストディ企業のヘックストラスト(Hex Trust)が、VASPライセンスを取得している。
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参考:VARA
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