香港Victory Securities、個人投資家向け暗号資産サービスライセンスを取得、香港3例目

取引・アドバイス・資産運用サービス提供へ

香港の投資会社ビクトリー証券(Victory Securities)が、香港証券先物委員会(SFC)より個人投資家向け暗号資産(仮想通貨)サービスを提供する認可を取得したと11月24日発表した。

香港において個人投資家向けの暗号資産取引所が認可されるのは3例目。他にはHashKey Exchange(ハッシュキーエクスチェンジ)とBC Technology Group(BCテクノロジーグループ)子会社のOSLがあり、両取引所は今年8月に同認可を取得していた。

なお発表によれば、香港で暗号資産取引、アドバイザリー、資産運用サービスを同時に提供するライセンスを認可された金融グループはビクトリー証券が初だという。

ビクトリー証券のエグゼクティブディレクターであるチャン・プイ・チュエン(陳沛泉)氏は「今年、暗号資産の分野で『第一号』となったことで、私たちはこの業界で運用経験を蓄積する機会を得た。(中略) 当社独自の取引プラットフォームを通じて、暗号資産と証券サービスをオールインワンでご利用いただける『株を買う、通貨を買う、とっても簡単』プログラムを開始する」と述べている。

またビクトリー証券のデータによれば、今年第3四半期の暗号資産取引額と新規顧客数は2倍以上に増加してているとのこと。暗号資産取引サービスに対する需要が高いことを示しているとビクトリー証券は述べている。

ビクトリー証券は今後、顧客に伝統的な金融と暗号資産を組み込んだ資産配分方法を提供し、一般投資家向けに暗号資産に関する投資アドバイスや調査レポートの発行を行っていくとのこと。

また、暗号資産関連の投資家教育にも注力し、暗号資産投資の普及を積極的に推進していく姿勢だ。

投資家保護に注力するSFC

香港は、暗号資産取引所などの暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対する新たなライセンス制度を導入する法案を昨年12月7日に可決。同法律は今年6月1日より施行され、これにより個人投資家の暗号資産取引が解禁となった。

香港政府はこれまで投資家保護の観点から、暗号資産取引を適格投資家のみに限定することを提言していた。しかし、それによりイノベーションの阻害や暗号資産事業者の海外流出、FTXのような海外取引所を利用することによる投資家被害などが発生したため、香港政府は2022年11月に「個人投資家による暗号資産取引の容認」を提案し、SFCが協議プロセスを開始していた。

SFCは9月に発生した暗号資産取引所JPEXをめぐる騒動を受け、暗号資産取引所を監視するため、香港警察(HKPF)とのタスクフォースを結成。

またSFCは投資家・金融教育協議会(IFEC)とともに、不正行為に対する意識を高めるためのパブリック・キャンペーンを開始する予定であり、マスメディア、ソーシャルメディア、教育講演など様々な手段で投資家教育をさらに強化し、暗号資産に関連するリスクや潜在的な不正行為に対する国民の理解促進を目指すことを表明している。

関連ニュース

参考:ビクトリー証券
images:iStock/Sergey-Khakimullin

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/15話題】DMM CryptoのSeamoon Protocolが中止、FBIがポリマーケットCEO宅を捜索など(音声ニュース)

DMMのweb3事業「Seamoon Protocol」がプロジェクト中止、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサリアムに展開、FBIが「ポリマーケット」CEO宅を家宅捜索、携帯電話や電子機器を押収、英レボリュート、暗号資産取引プラットフォーム「Revolut X」をEU30カ国に拡大、テザー、幅広い資産のトークン化プラットフォーム「Hadron by Tether」提供開始、コインベースがユートピアラボ買収、「Coinbase Wallet」のオンチェーン決済機能拡充へ、イーサL2「リネア」、ガバナンス分散化に向け非営利団体を設立、LINEA発行へ、イーサリアム研究者、コンセンサス層の再設計で「Beam Chain」提案

広告