ODXのSTのPTS取引市場名が「START」に
セキュリティトークン(ST:デジタル証券)を取り扱う国内初のPTS(私設取引システム)の運営を目指す、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が、ST取引に係るPTS開設に必要となる変更登録および変更認可を金融庁から承認されたことを11月16日発表した。
同変更登録は11月7日付、同変更認可は同月15日付けに承認されたとのこと。
またODXは、STにおけるPTSの取引市場名を「START(スタート)」としたことも併せて発表している。
「START」は当初の予定通り、年内の売買取引開始を目指すとのことだ。
なおPTSとは、投資家が証券取引所を介さずに有価証券を売買できる電子取引システムのこと。
ODXは昨年6月より、上場有価証券取引に係るPTS業務を開始している。
国内PTSはODXの他、ジャパンネクスト証券が運営するジャパンネクストPTS(JNX)とCboeジャパン運営のCboe PTSがある。昨年に業務開始したODXは、国内において3か所目のPTSとなっている。
ODXは、SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が2021年4月に共同設立した企業。同年10月には野村ホールディングスおよび大和証券グループ本社が資本参加もしている。なお出資比率はSBI PTSホールディングス70%、SMBC20%、野村5%、大和証券5%となっている。
セキュリティトークンとは
セキュリティトークンとは、ブロックチェーン等の電子的技術を使用してデジタル化し発行される法令上の有価証券のことを指す(Securities=有価証券)。株や債券などといった有価証券と同等の法規制が適用されるもの。ただし金商法に該当しないセキュリティトークンとして、「不動産特定共同事業法に基づく出資持分をトークン化したもの」の他に会員権などの「アセットの権利をトークン化したもの」も定義されている。
2020年5月施行の改正金融商品取引法によりセキュリティトークンは「電子記録移転権利」と規定され、金融機関での取り扱いが可能になった。しかし一方で金商法とは別に不動産特定共同事業法(不特法)に基づいたデジタル証券も発行されているのが現状だ。
今年3月に「不動産を裏付けにしたセキュリティトークン」を株式や債券、投資信託と同じく金融商品取引法に基づき金融商品として規制する方針を金融庁が固めたとして報道されている。
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参考:大阪デジタルエクスチェンジ
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