パクソスがシンガポールで米ドルステーブルコイン発行へ、規制当局から原則承認取得

パクソスがMASから原則承認を取得

企業向けブロックチェーンインフラ提供やステーブルコイン発行を行うパクソス(Paxos)が、シンガポールで米ドルステーブルコイン発行に向け、準備を進めている。

パクソスは、同社シンガポール法人のパクソス・デジタル・シンガポール(Paxos Digital Singapore)がシンガポール金融管理局(MAS)から原則承認(IPA)を取得したことを11月15日に発表している。

同シンガポール法人は完全承認を受け次第、企業顧客と提携し、同国の新たな規制枠組みに準拠した米ドル裏付けのステーブルコインを発行するとしている。

パクソスの戦略責任者であるウォルター・ヘザート(Walter Hessert)氏は、「米ドルに対する世界的な需要はかつてないほど高まっているが、米国外の消費者が安全、確実かつ規制上の保護の下でドルを入手することは依然として難しい。今回のMASからの原則的な承認により、パクソスは規制されたプラットフォームを世界中のより多くのユーザーに提供できるようになる(以下略)」とコメントしている。

MASは今年8月、ステーブルコインに関する最終的な規制枠組みを発表していた。この枠組みは、同国で発行されるシンガポールドル(SGD)もしくはG10通貨にペッグされる単一通貨ステーブルコイン(SCS)に適応されるとのことだった。

なおパクソスでは、米ドル連動の「Pax Dollar(USDP)」、金(ゴールド)連動の「Pax Gold(PAXG)」、米決済大手ペイパル(PayPal)の米ドル連動の「PayPal USD(PYUSD)」といったステーブルコインを発行している。

またパクソスでは、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の米ドルステーブルコイン「バイナンスUSドル(BUSD)」も取り扱っているが、現在は発行を行っていない(「BUSD」の償還や準備金の管理は継続中。償還は24年2月まで目途)。

これについてはパクソスが今年2月13日にNYDFSから「BUSD」の発行停止命令を受け、「NYDFSの指示に従い、2月21日をもってBUSDの新規発行を停止し、BUSDに関するバイナンスとの関係性も解消する」と表明したためである。

なお「BUSD」の有価証券性については、パクソスと米証券取引委員会(SEC)が協議中であるとロイターが2月22日に報じている。

関連ニュース

参考:パクソス
images:iStocks/Who_I_am・kasezo

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

広告

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された