ドイツ取引所がデジタル資産取引プラットフォーム設立か、新戦略発表にて明かす

ドイツ取引所が新たな経営戦略を発表

ドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)が、新たな経営戦略「ホライゾン2026(Horizon 2026)」を11月7日発表した。

同戦略には、デンマークの投資管理ソフトウエア企業シムコープの買収完了による年率3%の成長が見込まれることや、既存および新規のデジタル資産クラスプラットフォームにおける主導的地位の拡大、2024年第1四半期に3億ユーロ(約485億円)の自社株買いを開始することなどが含まれている。

またドイツ取引所は今後、既存または新規の資産クラスと、それに対応する取引・決済プラットフォームのデジタル化を通じ、新たなテクノロジーによる成長の可能性があると新戦略にて示している。

ドイツ取引所は、デジタル資産クラスの取引プラットフォームの確立に焦点をあて、投資可能な商品と取引可能な商品の幅を大幅に拡大させる意向だ。

なおブロックチェーンメディア「レジャーインサイト(Ledger Insights)」は、同デジタル資産取引所が2024年に開設されると報じている。またドイツ取引所がステーブルコインの導入も計画しているとも伝えている。

ドイツ取引所の最高経営責任者(CEO)であるテオドール・ワイマー(Theodor Weimer)博士は、新戦略について「ホライゾン2026は私たちの戦略における自然な展開であり、主に3つの戦略的要請に基づいている。1つ目に、近年ドイツ取引所の強みであることが証明されている強力な有機的成長の継続。2つ目に、強力な成長機会と高いシナジー効果が期待できる新たな投資運用ソリューション部門を成功させること。そして3つ目は、取引クラスのデジタル化における主導的役割を拡大することだ」と述べている。

デジタル資産に前向きなドイツ取引所

ドイツ取引所はデジタル資産に積極的だ。

2021年6月には、スイスのデジタル資産関連企業であるクリプト・ファイナンス(Crypto Finance AG)の過半数株式を取得したことを発表。機関投資家や専門家の顧客にデジタル資産の取引、保管、投資を提供しており、オルタナティブ投資ファンドも組成している。

またドイツ取引所は分散型台帳技術(DLT)を活用したデジタル証券のポストトレードプラットフォーム「D7」を立ち上げており、これまでに4,000件、30億ユーロ(約4,850億円)以上のデジタル証券が発行されているという。この発行ソリューションを利用しているパートナーには、コメルツ銀行(Commerzbank)、デカ銀行(DekaBank)、KFV、LBBW、ヴォントベル(Vontobel Hldg)などがある。

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参考:ドイツ取引所
images:iStocks/Wirestock

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者