【取材】マネックスクリプトバンク、不良資産化したNFTの買取サービス開始

マネックスクリプトバンクが事業者向けのNFT買取サービス開始

マネックスクリプトバンクが、「不良資産化したNFT・NFTコントラクトの買取サービス」提供開始を11月8日発表した。

発表によると同サービスは、「市況の悪化などの理由により、NFT事業からの撤退を考えている事業者」に向け、提供されるもののようだ。

マネックスクリプトバンクは同サービス提供において「不良資産化したNFTを保有したままにすることは、バランスシートの信用力に悪影響を及ぼすことが懸念されるほか、売却損の計上による節税効果も得られないため、早々に処分する方が合理的なケースも考えられる」と説明している。

そこで今回マネックスクリプトバンクは、NFTやNFTコントラクトなどの不良資産を買い取ることで、事業者の財務改善を支援すると述べている。

同サービス利用で事業者は、不良資産化したNFT・NFTコントラクトを売却することで会計上の売却損を発生させることができるため節税効果が見込めるとのこと。

またその他にも同サービスは、OpenSea(オープンシー)等の公開市場でのオンチェーン取引ではなく、トークンの送付等を除けばオフチェーンでの取引になるため、市場への影響も最小限に留められると説明している。

サービス概要

同サービスでは、作成・仕入したものの市況等の事情により売却できていないNFTを一律1円で買い取る他、ミント(発行/鋳造)可能なNFTの残量が十分なNFTコントラクトを買い取るという。またコントラクト以外にもイラストやランディングページ、IPなどNFT事業に関するアセットの買取にも対応するとのこと。

NFTおよびNFTコントラクト買い取りにあたりマネックスクリプトバンクは、売却損を計上する上で必要となる証跡として「買取証明書」を事業者に対し発行するとのことだ。

ただし注意点として、NFTやNFTコントラクトの種類、発行状況によっては買取できない場合もあるという。買取の可否は申込後に詳細をヒアリングし個別に判断するとのこと。

なお「mint可能なNFTの残量」とは、NFTコントラクトのtotalSupplyとtotalMintedとの差であると説明されている。実際にどの程度が「十分な残量」となるかはNFTコレクションの内容により異なるとのことだ。

「あたらしい経済」編集部は、マネックスクリプトバンクの「不良資産化したNFT・NFTコントラクトの買取サービス」での対応可能ブロックチェーン等について、確認をとっている。回答が得られ次第、この記事に追記させていただく予定だ。

マネックスクリプトバンクへ取材

「あたらしい経済」編集部はマネックスクリプトバンクへ「不良資産化したNFT・NFTコントラクトの買取サービス」について取材。以下のように回答を得た。

Q1.買取が可能なNFTについて、ブロックチェーンに制限はありますでしょうか?

特段制限は設けておらず、EthereumやPolygonなどを中心に幅広く買取を検討いたします。

Q2.今回のサービスを提供するにあたり、買い取ったNFT等はそのまま貴社にて保有するのでしょうか?

マネックスクリプトバンクは2017年よりWeb3領域での事業を行っており、また直近ではメタバースとNFTを絡めたweb3コミュニティプロジェクトの「OASIS」をコインチェック社より事業譲受して運営しております。これらの知見を活用して、NFTプロジェクトの再生なども視野に入れ、買取後のNFTの用途を検討して参ります。

Q3. 上記の質問に合わせ、今回のサービスのマネタイズポイントはなんでしょうか?貴社にとって売り上げなど見込めるサービスとなっているのでしょうか?

NFTの再販によるマネタイズを見込んでおります。またふたつめの回答の通り、NFTプロジェクトの再生なども視野に入れております。

過去には個人向けNFT買取サービスも

なお2021年11月には、モバイルファクトリーと同社子会社のビットファクトリーが、個人向けにNFTの買取サービス「ユニマNFT買取(β版)」を提供開始していた。

しかし現在同サービスの新規受付は停止をしている。同社らは日本国内でのNFTの普及に関して「NFT取引の流動性の確保が、今後のNFT市場の拡大には不可欠」と考え、同サービス開始に至ったと説明していた。

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images:iStocks/ustinroque・zirconicusso

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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