香港規制当局、暗号資産の監督範囲拡大を計画。ステーブルコイン発行体も対象へ

ステーブルコイン発行体も含める計画

香港金融管理局(HKMA)が、香港における暗号資産(仮想通貨)の監督範囲を拡大し、ステーブルコインの発行体も含める計画を進めているようだ。現地メディア「信報」が11月2日報じている。

報道によればこの事は、10月30日から11月5日まで開催されていた香港フィンテック・ウィーク(Hong Kong FinTech Week)にて、金融サービス・財務担当の陳浩然(チャン・ハオイェン)次官が明かしたという。

同氏は、HKMAが暗号資産取引の監督範囲を暗号資産プラットフォーム以外にも拡大させる意向であり、ステーブルコイン発行者の規制制度に関しては財務局と香港金融管理局が共同で指令書を発行する予定だと述べたという。

同氏はまた、HKMAと香港の財務省がこの件について一般市民と銀行業界の意見を求めることを明らかにしている。

また同氏は、多くの欧州企業が香港での拠点設立に関心を寄せていることにも言及。香港の暗号資産に関する監督状況は非常に明確であるため、同地区が安全に事業展開ができる土壌であることをアピールした。

SFCによるトークン化に関する通達

また香港証券先物委員会(SFC)は11月2日、トークン化商品に関するサーキュラー(通達)を発表。

このサーキュラーは、SFCが認可した投資商品のトークン化の許可を検討する要件を記したもの。トークン化されたファンドや債券を個人投資家に発行するためのロードマップが示されている。

サーキュラーにてSFCは、原資産が、適用されるすべての商品認可要件とトークン化に伴う新たなリスクに対処するための追加的なセーフガードを満たすことができれば、一次取引(プライマリー取引)を認可できるとした。

一方で二次取引(セカンダリー取引)については慎重な姿勢を示し、原則的にパーミッションレス・ブロックチェーン・ネットワークの使用は承認しないとしている。

暗号資産現物ETFへのリテールアクセス認可も検討

SFCのCEOであるジュリア・レオン(Julia Leung)氏は11月2日、ブルームバーグのインタビューにて規制当局は「効率性と顧客体験を高める革新的な技術を使った提案」を歓迎するとし、規制上の懸念がクリアされれば、個人投資家が暗号資産の現物(スポット)上場投資信託(ETF)にアクセスすることも視野に入れていると述べている。

レオン氏のこの発言はSFCが10月20日に発表した、投資家保護措置を追加した暗号資産規制ガイダンスを受けたものと思われる。同ガイダンスでは、仲介業者が顧客に対し「暗号資産に関する知識テスト」を課している。機関投資家プロ投資家と適格法人プロ投資家はこのテストの除外対象だ。

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参考:信報SFCブルームバーグ
images:iStoks/LeeYiuTung

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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