「INTMAX」のリョダンシステムズ、戦略ラウンド完了

リョダンシステムズが戦略ラウンド完了

Ryodan Systems(リョダンシステムズ)が、戦略ラウンドの完了を11月2日発表した。

同社は、Ethereum(イーサリアム)のレイヤー2プロジェクト「INTMAX zkRollup」と、生体認証やMPC、FHEなどの最新の暗号技術を搭載したウォレット「INTMAX Wallet」を手掛ける企業。日本人起業家の日置玲於奈氏および藤本真衣氏がCo-Founderを務めている。

同社は今年4月、シードラウンドで6.5億円の資金調達を完了。同ラウンドにはHashKey Capital(ハッシュキーキャピタル)やB Dash Ventures(Bダッシュベンチャーズ)、Mask Network(マスクネットワーク)、East Ventures(イーストベンチャーズ)、MZ Web3 Fund、Tané(タネ)、Hyperithm(ハイパーリズム)、Alchemy Ventures(アルケミーベンチャーズ)など多くの投資家が出資参加していた。

今回の戦略ラウンドは、それに続くものとなる。なお今回の調達額については非公開のようだ。

発表によると今回のラウンドは、東南アジアのベンチャーキャピタルKX、GMOグループのハンズオン型CVCであるGMO AI & Web3、ベンチャーキャピタルのLD capital、ケニアとナイジェリアのベンチャーキャピタルKepple Africa Venturesが参画したとのこと。

「あたらしい経済」編集部が今回の調達資金の使途について取材したところ、「人材採用に充てる」とのことだった。

またリョダンシステムズは、Polygon(ポリゴン)でのグローバル開発推進者として実績を持つショディポ・アヨミド(Shodipo Ayomide)氏をナイジェリアの地域アドバイザーとして迎え入れたことも発表している。

同氏は「INTMAX」プロジェクトへのアドバイザー参画について「ブロックチェーンの分散型の特性は、国境を越えた送金の課題を解消しますが、アフリカのような地域にとって、その手数料はまだ高額です。しかし、INTMAXはそのzkRollupで、低コストでの多数の取引とユーザーのプライバシー保護を実現し、この問題に取り組むことを目指しています。決済に特化し、毎日10億ユーザーの取り扱い能力を持つINTMAXは、暗号通貨を活用して世界の送金問題を解決し、アフリカだけでなく全世界に、新しい価値をもたらそうとしています。これは、まさに革命的な動きだと確信しています」とコメントしている。

またリョダンシステムズの代表取締役を務める日置氏は今回の戦略ラウンド完了にあたり「ウォレットローンチを実現し、プロトコルローンチへの具体的な道筋が立った今、各国よりとても強力な方々にご参画いただけました事を大変心強く感じています。 現在のEthereum Layer1は、1日で10万人程度しか利用できないという数の限度、ガス代の高騰が原因で利用層が偏ってしまうという課題があります。私達はこの課題を解決し”すべての人に財産権を与える事”がブロックチェーンの本来のあるべき姿であると考えています。今後INTMAXは、ペイメントに特化し、ゼロに近いガスコストと1日で10億人が利用しても問題ないスケールが提供可能なLayer2と、安全性と利便性を両立したウォレットを通じて、すべての人に財産権を与える事を目標に精進して参ります」とコメントを残している。

zkRollup(zkロールアップ)とは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

「INTMAX」のステートレスzkRollupプロトコールは、これまでの暗号資産取引における高額な手数料や遅延、インターオペラビリティの課題、プライバシーの保護や中央集権の問題を、革新的なアプローチで解消するソリューションとして注目されているとのことだ。

なお今回発表されたロードマップでは、2024年第1四半期にて「INTMAX」のメインネットが始動すると記載されている。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。