メタマスクで新たにプライバシー保護機能が導入
web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)に、暗号資産(仮想通貨)の盗難被害を未然に防ぐ為のプライバシー保護機能「セキュリティアラート」が導入された。メタマスク開発元の米ブロックチェーン関連企業コンセンシス(Consensys)が10月31日発表した。
「セキュリティアラート」は、詐欺やフィッシング、ハッキングからユーザーを保護する為に、悪意のあるトランザクションが発生するのを未然に阻止する機能とのこと。同機能は、メタマスクとweb3セキュリティ企業のブロックエイド(Blockaid)の提携のもと開発され、数十億ドル相当の暗号資産の盗難を防ぐことを目的としているという。
発表によると、殆どのweb3ウォレットが提供するセキュリティアラートは、検証の為にユーザーのトランザクションデータをサードパーティと共有するが、今回メタマスクに導入された「セキュリティアラート」は、全てのトランザクションと署名リクエストをサードパーティと共有せずに済む独自のプライバシー保護モジュールとして開発されたとのこと。
まずはメタマスクのデスクトップユーザーを対象に、実験的なオプトイン機能として「セキュリティアラート」は利用可能となったとのこと。またモバイルアプリユーザーも実験的なオプトイン機能として11月後半から利用できる予定だという。なお最終的にはメタマスクのデフォルト機能として、2024年第1四半期(1~3月)までに全メタマスクユーザーが利用可能になる予定とのことだ。
ブロックエイドについて
ブロックエイドは、イスラエル軍のサイバー諜報部隊「8200部隊(Unit 8200)」の出身メンバーらで構成された2022年設立の企業だ。今年4月にはメタマスクと共同で、実験的なオプトイン機能としてNFTプラットフォームのオープンシー(OpenSea)に「セキュリティアラート」を導入している。導入以降は5億ドル(約756億円)相当の資産盗難を回避したとのこと。
またブロックエイドは、イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏のX(旧Twitter)アカウントがハッキングを受けた際に、10万(約1,500万円)ドル以上の資産盗難の阻止に貢献したとのことだ。
コンセンシスによる直近の動き
10月にコンセンシスはweb3業界促進に向け、ブロックチェーンの微細構造に焦点を当てた機構設計会社であるスペシャルメカニズムグループ(Special Mechanisms Group:SMG)を買収している。
また8月には、ソリディティ(Solidity)スマートコントラクト自動解析ツール「ディリジェンス・ファジング(Diligence Fuzzing)」のオープンベータ版をアップグレードし、ソリディティ用の開発フレームワーク「ファウンドリー(Foundry)」のサポート開始を発表した。
ちなみにコンセンシスは6月にリブランディングを行い、ロゴの刷新と綴りを「ConsenSys」から「Consensys」へ変更している。
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参考:コンセンシス
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