JPYCが「あるやうむ」と提携、「JPYC Ventures」の第一号案件で出資も

JPYCが「あるやうむ」と提携と出資

日本円ステーブルコイン「JPYC(JPYCoin)」を取り扱うJPYC社が、あるやうむ社との業務提携を10月25日発表した。

またJPYC社はこの提携に伴い、JPYCエコシステムの拡大を目的とした「JPYC Ventures」の第一号案件として、あるやうむ社に出資したことも併せて発表している。

あるやうむ社は、「NFTによる地方創生」を推進するため、全国の自治体向けにふるさと納税NFT/観光NFTソリューションを提供する札幌発のスタートアップだ。

今回の業務提携は、あるやうむ社が運営する返礼品NFTに特化したふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税NFT」上でのJPYC決済の導入推進や、JPYCによる住民税の納付を実現するための規格および自治体への共同提案を行うためものであるとのこと。

なお「あたらしい経済」編集部がJPYC社に取材したところ、「JPYC Ventures」によるあるやうむ社への出資額については非公表とのことだ。

あるやうむ社は昨年12月、プレシリーズAラウンドによる総額4,000万円の資金調達を実施していた。このラウンドには、既存株主のSkyland Ventures(スカイランドベンチャーズ)とスパークルが参加していた。

この際の調達資金の使途は、NFTを軸にした観光DXの推進に利用するとのことだった。

また2022年12月には、シードラウンドで総額2100万円の資金調達を実施。Skyland Venturesの他、HEROZの代表取締役 Co-CEOの林隆弘氏、SBI NFTおよびアクセルマークのファウンダーでArriba Studio(アリーバスタジオ)の代表である佐藤崇氏が出資参加していた。

またJPYC社も直近で資金調達を実施している。同社は今月HYPERITHM(ハイパーリズム)と複数の個人投資家からJ-KISS型新株予約権により合計6,000万円を調達していた。

JPYC社によると、これによりシリーズA以降の累計調達金額は9億円になったとのことだった。

JPYC社は前払式支払手段扱いの日本円連動ステーブルコイン「JPYC(JPYCoin)」を取り扱う日本企業。「JPYC」は、法的な暗号資産(仮想通貨)に該当しないトークンとなっており、2021年1月27日よりJPYC社が発行・販売を行っている。

JPYC社は今年3月、第三者型前払式支払手段のライセンスを取得。現在は2023年6月に施行された改正資金決済法に基づき、資金移動業および電子決済手段等取引業のライセンス取得を目指し、自己資本の増強と内部体制の強化に努めているとのことだ。

またJPYC社は、第三者型前払式支払手段のライセンス取得により、年末までに決済サービス「JPYC Pay」のβ版を提供する予定としている。これにより「JPYC Pay」各加盟店の店頭やECサイト、ふるさと納税などで「JPYC」の利用が可能になるとのこと。

現在「JPYC」はイーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、シデンネットワーク(Shiden Network)、ノーシス(Gnosis)、Avalanche(アバランチ)、アスターネットワーク(Astar Network)のブロックチェーンに対応している。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Lidiia-Moor

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。