アスター、「Astar zkEVM」のテストネット「zKatana」ローンチ

アスターが「Astar zkEVM」のテストネットローンチ

ステイクテクノロジーズ(Stake Technologies)が開発中の「Astar zkEVM Powered by Polygon」のテストネットが10月23日ローンチした。テストネットの名称は「zKatana(ズィーカタナ)」となるようだ。

「Astar zkEVM」は、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用した「Polygon CDK(ポリゴン・チェーン開発キット)」によって開発されるイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ソリューション。先月9月に提供予定が発表されていた。

なおステイクテクノロジーズは、異なるブロックチェーンの相互運用性(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクトであるポルカドット(Polkadot)のパラチェーン「アスターネットワーク(Astar Network)」を2022年1月にメインネットローンチしている。

「アスターネットワーク」は、ポルカドットエコシステム全体のシームレスな相互運用性の提供を目的としたプロジェクトであり、ポルカドットのバリデータによるセキュリティのもと、WASM(ウェブアセンブリ:ワズム)およびEVM(イーサリアムバーチャルマシン)といった仮想マシンへのアクセスを提供する他、開発者に資金提供する仕組みである「dAppステーキング」を提供している。

その一方で「Astar zkEVM」は、安全でスケーラブル、ガス効率の良いプラットフォームを企業に提供することに重点を置いたプロジェクトだ。アスターネットワークのエコシステムが提供してきた相互運用性に加え、zkp活用により高度な処理能力・拡張性(スケーラビリティ)・安全性・UXを実現できると発表されている。またブロックチェーン最大規模のユーザー数を有するイーサリアムの拡張機能であるレイヤー2技術を実装し、EVM環境と同等のEVM等価性を保持しているとのことだ。

発表によるとテストネット「zKatana」では、開発者がzkEVM上で既存のEVMスマートコントラクトが実行できるようになっている他、テストネットのETHを同テストネットへブリッジも可能だという。

また「zKatana」のガス代(ネットワーク手数料)となる同ネットワーク上のETHの請求(claim)もでき、その他にも「zKatana」のブロックエキスプローラも提供されるとのことだ。

またステイクテクノロジーズは、「zKatana」のテストと同テストネット上でのトライアル体験のため、複数のプロジェクトやサービスプロパイダーと提携したという。

その中には「zkRollup-as-a-Service(RaaS)」のプロバイダーであるジェラート(Gelato)やアカウント抽象化SDK(ソフトウェア開発キット)提供のセーフコアSDK(Safe Core SDK)、オムニチェーンの相互運用プロトコル提供のレイヤーゼロ(LayerZero)、機関のマーケットデータをチェーンに提供するパイス(Pyth)、そしてアスターネットワークのファウンダーである渡辺創太氏がCEOを務めるweb3テック企業スターテイルラボ(Startale Labs)などの名前がある。

なお10月24日、KDDIがステイクテクノロジーズおよびスターテイルラボとの協業を発表し、KDDI提供の「αU market」および「αU wallet」における「Astar zkEVM」対応の検討を開始している。

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参考:アスター
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。