米大手クリアリングハウスDTCC、デジタル資産会社セキュレンシー買収へ

DTCCがデジタル資産会社セキュレンシー買収へ

米国金融市場に決済インフラを提供する大手金融企業DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)が、機関レベルのデジタル資産インフラストラクチャを開発するセキュレンシー(Securrency)を買収することを10月19日発表した。

DTCCは世界最大級の証券決済・保管機関として45年以上の歴史を持つ企業。米国をはじめ世界21ヶ国の拠点を通じて、数多くの金融機関や運用会社に対し金融取引処理業務を効率化するサービスを提供している。

またセキュレンシーは、資産のトークン化やブロックチェーンベースの機関グレードの資本市場プラットフォームを提供するスタートアップだ。同社は2021年にステートストリート(State Street)やUSバンク(US Bank)、ウィズダムツリーインベストメント(WisdomTree Investments)らから3,000万ドルを調達している。

発表によるとこの買収取引は、今後数週間以内に完了するという。買収後セキュレンシーはDTCCの完全子会社となり、DTCCデジタルアセッツ(DTCC Digital Assets)の社名で運営されることになるという。

なおブルームバーグの報道によると今回の買収額は、約5000万ドルになるとのこと。ちなみに今回の買収はDTCCにとって2013年以来になるという。

この買収によりDTCCは、機関投資家のDeFi(分散型金融)の力を引き出すために、企業向けデジタル資産プラットフォームの開発を迅速に進めるとのこと。

またDTCCは、既存の商品やサービスへのデジタル資産の組み込みや、規制に準拠した新たなブロックチェーンベースのサービスを開発を目指すという。またバイサイドのアセットマネージャー、ブローカーディーラー、カストディアンを含む業界とユースケースを検討し、DTCCブロックチェーンをベースとした新しいソリューションの共同開発を行うとのことだ。

DTCCの社長兼CEO兼取締役のフランク・ラ・サラ(Frank La Salla)氏は、「セキュレンシーは重要な戦略的買収であり、トークン化された資産、デジタル通貨、その他の金融商品のエンド・ツー・エンドのデジタル・ライフサイクル処理を可能にすることで、市場全体の変革を推進する技術を手に入れられる」とコメントしている。

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参考:DTCC
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ismagilov

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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