香港認可の個人向け暗号資産取引所OSL、売却検討の報道を否定

BCテクノロジーグループがOSL売却検討の報道を否定

香港認可の暗号資産(仮想通貨)取引所OSLの売却が検討されているとのブルームバーグの報道について、同取引所の親会社であるBCテクノロジーグループ(BC Technology Group)が、10月17日正式に否定した。

同社取締役会は、ブルームバーグの記事の内容および記述について「事実と異なり、極めて誤解を招くものであることを明らかにしたい」と表明をしている。

ブルームバーグは16日、BCテクノロジーグループが業界関係者やファンドなどへ、評価額10億香港ドル(約191億円)にてOSLを売却する検討をしていると報じていた。

発表によるとBCテクノロジーグループは、17日に同社株式の価格および取引量に異常な動きがあったことを同社取締役会から指摘を受けたとのこと。

これについて取締役会は、その異常な動きの理由について認識していないとしたが、ブルームバーグによる報道記事に注目したとのことだった。

OSLは今年8月3日、香港証券先物委員会(SFC)より同地区における個人投資家向け暗号資産取引所の運営ライセンスを取得した。

なお同取引所は、香港において認可された個人投資家向けの暗号資産取引所の2社のうちの1社である。ちなみにもう1社は、OSLと同日にSFCより同様の認可を受けたHashKey Exchange(ハッシュキーエクスチェンジ)である。

香港は、暗号資産取引所などの暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対する新たなライセンス制度を導入する法案を昨年12月7日に可決。同法律は今年6月1日より施行され、これにより個人投資家の暗号資産取引が解禁となった。

なおハッシュキーおよびOSLは同日にVASPライセンスをSFCへ申請していた。

香港政府はこれまで投資家保護の観点から、暗号資産取引を適格投資家のみに限定することを提言していた。しかし、それによりイノベーションの阻害や暗号資産事業者の海外流出、FTXのような海外取引所を利用することによる投資家被害などが発生したため、香港政府は2022年11月に「個人投資家による暗号資産取引の容認」を提案し、SFCが協議プロセスを開始した。

そのような流れを受け、今回の規制案には、個人投資家による暗号資産取引サービスの利用を認可する提案が含まれたというわけだ。ただし、取引が認められる暗号資産には条件があり、条件を満たす「適格な大型暗号資産」のみ取引可能とのことだ。

なおOSLではビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のみを取り扱っている。

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参考:BC Technology Group
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio・Ninja Studio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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