リキッドステーキング「Lido」、ソラナ上でのプロトコル廃止へ

Lidoのソラナ上でのプロトコルが廃止へ

リキッドステーキングプロトコル「リド(Lido)」提供のリドファイナンス(Lido Finance)が、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上での同プロトコル運用停止予定を10月16日発表した。

なおこの決定は、「リド」のDAO(自律分散型組織)による議論とコミュニティによる投票後、同プロトコルのガバナンストークン「LDO」所有者によって承認されたものであるという。

ソラナ上の「リド」開発チームはDAOからの総額150万ドルの財政的支援を求めていたが、それが叶わなかったことで、当初の予定通り運用停止を進めることになったという。

同チームのフォーラムでの議論によると同プロトコルでは、2022年から2023年にかけて484,000ドルの損失を出しており、同プロトコルのソラナ市場のシェアは1%ほどであったという。またDAOからの支援によるマーケティングを行わないと、2023年から2024年でソラナ市場のシェア 2%の達成は不可能であると開発チームは算出をしていた。そのため同開発チームは、DAOからの支援が受けられない場合の運用停止判断を提案していた。

リドファイナンスは「この決断は、ソラナのエコシステム全体における数多くの強力な関係を前にして困難なものであった。しかし、より広範なリドプロトコルのエコシステムの継続的な成功のためには必要なことであると判断された」と述べている。

発表によると16日からすでに同プロトコルでのソラナのトークン「SOL」の新規ステーキングのサポートは停止しているという。11月17日にはノードオペレーターの終了を開始し、来年2月4日にはすべてのサポートを終了するとのこと。なおサポート終了以降のステーキング解除については、コマンドラインインターフェイス(CLI)経由でのみ実行可能とのことだ。

リキッドステーキングとは、プルーフオブステーク(PoS)を採用するブロックチェーンにおいてステーキングを行う際に、ロックした資産と「1:1」の割合で価値が担保されているトークンを発行することで、ロックされた資産に疑似的な流動性を与えることができるようになるサービスだ。

「リド」では、イーサリアム(Ethereum)のステーキングと引き換えに「stETH」と呼ばれるトークンを発行している。ユーザーは付与された「stETH」でDeFi(分散型金融)を利用して再度ETHに交換できる他、「stETH」をレンディングなどで運用を行えば利回りを得ることも可能だ。

なお「リド」ではイーサリアムの他にもポリゴン(Polygon)のリキッドステーキングを提供しており、「stMATIC」を発行している。なおソラナでは「stSOL」を発行していた。

また「リド」は、ポルカドット(DOT)およびクサマ(KSM)のサポートもしていたが、今年3月15日より「DOT」と「KSM」の「リド」への入金は終了。6月22日にはステーキングが自動的に解除され、8月1日に正式にサービスが終了している。

「リド」は今年5月、イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」に合わせてプロトコルを新バージョン「Lido v2」へとアップグレードした。これによりステーク開始から最短で、おおよそ5日と14時間後にはアンステークできるようになり、気軽にステーキングに参加可能になった。

※2023.10.17 13:00 運用停止理由を追記

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参考:リドファイナンスフォーラム
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Vjom

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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