Optimismのセキュリティ向上のための「Fault Proof」機能、テストネットローンチ

Optimismの「Fault Proof」機能がテストネットでローンチ

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ソリューションであるオプティミズム(Optimism)のセキュリティ機能「フォルトプルーフ(Fault Proof)」が、「OPゴエリテストネット(OP Goerli Testnet)」でリリースされた。オプティミズムの開発を主導するOPラボ(OP Labs)が10月4日に発表した。

オプティミズムは、オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollup)を採用し、L2でのトランザクションをまとめてイーサリアムブロックチェーンに格納することでイーサリアムのスケーラビリティ向上に貢献している。

なおロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。ちなみにロールアップにはオプティミスティックロールアップのほかに、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を利用したジーケーロールアップ(zk-Rollup)がある。

オプティミスティックロールアップでは、イーサリアムにトランザクションを格納する際にトランザクションの正当性を毎回チェックせず、不正なトランザクションが発見されるまではデータを正しいものとして扱う楽観的な方式をとる。そのためセキュリティ上、不正なトランザクションを発見した際に「申し立てを行う仕組み」の導入が求められる。

しかしオプティミズムのメインネット「OP Mainnet」およびコインベースの「ベース(Base)」等、「OPスタック(OP Stack)」を用いて開発されたブロックチェーンでは、現在までこの「申し立てを行う仕組み」が導入されていなかった。

今回発表された「フォルトプルーフ」は、オプティミズムにおける「申し立てを行う機能」となっている。

OPラボによると「フォルトプルーフ」は、3つの主要プロトコルを連携させることでネットワーク上の悪意のあるアクティビティや欠陥のあるアクティビティに対抗し、システム内の信頼と一貫性を維持するという。

現在同機能は、アルファ版であり本番環境への準備段階である。またバグを見つけ報告することで報酬金が得られるバグバウンティプログラムも開催している。

なお「OPスタック」は、オプティミズムの技術を利用した独自ブロックチェーン構築をサポートするソフトウェアのことである。

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参考:OPラボブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Vit_Mar

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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