香港が暗号資産ライセンス申請企業を公開へ、JPEXめぐる騒動受け

ライセンス申請企業リストを公開へ

香港証券先物取引委員会(SFC)が、同地区において新たに開始された「リテール暗号資産取引ライセンス」を申請した企業のリストを公開すると9月25日発表した。

声明によればSFCは、認可を受けた暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム(VATP)のリスト、閉鎖されたVATPのリスト、2024年6月1日時点で認可を受けたとみなされるVATPのリスト、VATP申請者のリストを 「国民の要望により」公表するという。

JPEXをめぐる騒動がきっかけに

この声明が出された背景には、暗号資産取引所JPEXをめぐる騒動がある。

この騒動は、JPEXの口座から暗号資産を引き出すことができなかったり、ユーザーの資産残高の減少や改ざんされたとして、ユーザーから苦情が噴出したというものだ。なおこれに関する被害総額は、11億9,000万香港ドル(約224億円)にのぼるとみられている。

またJPEXの従業員やソーシャルメディアのインフルエンサーらは、JPEXに関連した詐欺共謀の容疑で香港警察により9月19日逮捕されている。

またSFCは9月13日、JPEXが「規制されていない暗号資産取引プラットフォーム」であると指摘し、警告する声明を発表していた。

消費者保護の施策も

SFCは今回の発表にて、「JPEXの事件は、未規制のVATPと取引することのリスクと、市場の信頼を維持するための適切な規制の必要性を浮き彫りにした。また、不審なウェブサイトやVATPがもたらす潜在的なリスクを投資家がよりよく理解できるよう、アラートリストや警告、投資家教育を通じて投資家への情報発信をさらに強化できることも示している」と述べている。

またSFCは「香港で事業を行う疑わしいVATPを一般市民がより容易に特定できるようにし、認知度を高めるため、SFCのウェブサイト上で容易にアクセスでき、かつ目立つように、疑わしいVATPの専用リストを充実させ、発行する予定」であり、これらのVATPに関するより多くの情報を提供することも検討するという。

またSFCは投資家・金融教育協議会(IFEC)とともに、不正行為に対する意識を高めるためのパブリック・キャンペーンを開始する予定だという。マスメディア、ソーシャルメディア、教育講演など様々な手段で投資家教育をさらに強化し、暗号資産に関連するリスクや潜在的な不正行為に対する国民の理解促進を目指すとのことだ。

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参考:証券先物委員会
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Alex-Sholom

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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