米コンセンシスのブロックチェーンインフラ「Infura」、2023年末までに分散化を目指す

Infuraが2023年末までに分散化へ

米コンセンシス(Consensys)提供のノードホスティングサービス「Infura(インフラ)」の分散型バージョンが、2023年末までにリリースされる計画が9月8日に発表された。なおコンセンシスはweb3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」などを提供するブロックチェーン関連の開発企業。

「Infura」は分散型アプリケーション(Dapps)やスマートコントラクトと対話する際に使用するRPCを提供しており、多くの分散型アプリケーションがブロックチェーンからリアルタイムのデータを取得する際に利用している。なおRPCとは、ブロックチェーンに対して指示を行う際に使用するプロトコルのこと。

現在「Infura」は、コンセンシスのみによって制御されている。そのため現状ではコンセンシスが障害を受けることで、多くのプロジェクトが被害を受けることになる。

今回発表されて計画で「Infura」は、2024年には完全に分散化されたサービスにシフトし、最大5つの異なるデータプロバイダーからなる分散型マーケットプレイスの構築を目指している。

これにより単一のサービスプロバイダーに依存する必要がなくなるため、イーサリアム(Ethereum)へのアクセスの信頼性と検閲耐性が向上するとのことだ。

コンセンシスの戦略責任者サイモン・モリス(Simon Morris)氏によると、TCP/IPのような規制ができないアーキテクチャの構築を最終的な「Infura」の目的としているという。またすでに暗号資産(仮想通貨)関連の企業だけでなく、Web2のクラウドプロバイダーも興味を示しているとのこと。

Web2の大手クラウドプロバイダーとしてGoogle CloudやAWSなどがあるが、具体的な企業名は公表されていない。

なお「Infura」はブログにて、分散型インフラネットワークの早期アクセスユーザーを募集しており、参加条件を「ブロックチェーンAPIアクセスの分散化への関心」、「積極的に参加し、フィードバックを提供する意欲」、「ブロックチェーンインフラストラクチャの運用経験」としている。

コンセンシスは7月にイーサリアムレイヤー2ソリューション「Linea(リネア)」のメインネットアルファ版のリリース。8月16日にメインネットを正式にローンチした。同ネットワークではすでに多くのアプリケーションが稼働しており、8月24日には大手DEX(分散型取引所)パンケーキスワップ(PancakeSwap)が展開されている。

ちなみにコンセンシスは6月27日にリブランディングを行い、ロゴの刷新と綴りを「ConsenSys」から「Consensys」へ変更している。

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参考:Infuraブログ
images:iStocks/noLimit46

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。