来年6月までに取得めざす
中国拠点の大手暗号資産(仮想通貨)取引所OKX(オーケーエックス)が、香港での暗号資産交換業者(VASP)のライセンス申請の最終段階に入ったようだ。OKXのグローバル・チーフ・コマーシャル・オフィサーであるライ・ジーカイ(Li Zhikai)氏の話として香港経済新聞が9月4日報じた。
OKXは今年3月、香港法人を設立し、同国でのVASPライセンス申請を行うことを発表していた。
報道によれば、OKXは現在ライセンス申請の最終段階であり、来年6月までのライセンス取得を目指しているとのこと。
また、ライセンス取得後、初年度で10~20万人のリテールユーザーを獲得できる見込みだという。
ライ氏によれば銀行との対話は継続中であり、技術的な面での事前準備も徐々に開始しているという。
また香港政府が昨年、自国を世界的な暗号資産センターとして推進する動きを見せて以降、銀行側の態度も前向きになったとライ氏は付け加えたという。
なお香港の銀行規制当局である香港金融管理局(HKMA)が、同国で事業を行う金融機関らに対し、暗号資産取引所を顧客として受け入れるよう要請したことがフィナンシャルタイムズによって6月報じられていた。
一方でライ氏は、来年はVASPライセンスを取得する仲介業者の急増は見られないだろうとの考えを明かしている。その理由として、香港証券先物委員会(SFC)のスタンスは保守的であり、申請者に対する要件の高いことを挙げた。当局はまず申請者の動向を見極めたいと考えているとの見方をライ氏はしている。
香港でのライセンス取得について
香港でのライセンス取得については、香港証券先物委員会(SFC)が2月20日、VASPに対する新たな規制案を発表している。SFCはこれまで、セキュリティトークンを取り扱うVASPに対してのみライセンス取得を義務付けていた。しかし、この規制案では「香港でビジネスを行う、または香港の投資家に積極的にマーケティングを行うすべての集中型暗号資産取引プラットフォーム」を対象とし、SFCの規制要件を満たし、ライセンスを取得することを求めている。
ライセンス取得のための規制要件は既存制度のものに基づき、カストディ・KYC(本人確認)・サイバーセキュリティ・監査・リスクマネジメント・AML(マネーロンダリング対策)などの要件を含むものになるとのこと。
なお8月3日にはHashKey Exchange(ハッシュキーエクスチェンジ)が、香港において初めて、個人投資家向けの暗号資産取引所として認可を受けている。
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参考:香港経済新聞
デザイン:一本寿和
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