イーサリアム財団がイーサリアム実行層仕様書(EELS)公開、1年以上の開発経て

イーサリアム財団がEELSを公開

イーサリアムおよび関連技術をサポートする非営利団体のイーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、イーサリアム(Ethereum)の実行層(EL:Execution Layer)の仕様書「EELS(Ethereum Execution Layer Specification)」を8月29日に公開した。

「EELS」はプログラミング言語Python(パイソン)で書かれており、イーサリアムの技術仕様書「イエローペーパー」と比べ、読みやすさと明瞭さに重点を置いている。

この仕様書は、過去に公開されているコンセンサス層(CL:Consensus Layer)のPythonで書かれた仕様書「コンセンサスレイヤー仕様書(Consensus Layer Specification)」を参考に作成されている。

イーサリアム財団によると、現在の「EELS」は少し粗削りな部分があり、さまざまな部分の動作についての注釈や英語での説明は充実していない。しかし時間の経過とともに充実していくことが予想されている。

また「EELS」ではテストの実行も可能であるため、イーサリアムがどのように機能するかについて調査するための可能な限り最良な出典となることが望まれているとのこと。今後EIP(Ethereum Improvement Proposal)のうちコンセンサスフォークを必要とする「コア」に関わる実装を行うための利用や、EIPを作成する際の初めの場所になるなどが想定される。

実行層およびコンセンサス層は、イーサリアムのノードクライアントおよびそのシステムチェーンのこと。実行層はコントラクトの実行や送金を行うレイヤーで、ETH1エンジンとも呼ばれる。コンセンサス層はブロックチェーンのバリデータを管理するレイヤーで、ビーコンチェーン(Beacon Chain)とも呼ばれている。

イーサリアムの開発者は8月17日に行われた「エクゼキューションレイヤーミーティング168(Execution Layer Meeting 168)」で新たなテストネット「ホレスキー(Holesky:Holešky)」を9月に展開する計画を明らかにした。

同テストネットでは現在イーサリアムのテストネットとして主に利用されている「セポリア(Sepolia)」と「ゴエリ(Goerli)」で発生しているガス代(手数料)用のトークンの供給が少数の団体に独占されているという問題の解決を目指している。

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参考:イーサリアム財団ブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/undefined-undefined

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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