フィナンシェがチェーンリンクと技術提携を開始

FNCTステーキングのバリデーター選定のガバナンスとセキュリティ強化へ

トークン発行型クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」運営のフィナンシェが、ブロックチェーンデータプロバイダーのチェーンリンク(Chainlink)との技術提携開始を8月25日発表した。

この提携により、フィナンシェ発行の「フィナンシェトークン(FNCT)」のステーキング機能に「チェーンリンクVRF」が導入されることになった。

「チェーンリンクVRF」は、ブロックチェーン上で検証が可能な乱数生成や改ざん防止が可能となるサービスだ。リクエスト時にはまだ未知であるブロックデータと、オラクルノードが事前に整合させた暗号キーを組み合わせ、乱数と暗号証明の両方が生成されるという。

また、「FNCTステーキング」のスマートコントラクトでは、有効な暗号証明を持っている場合にのみ、乱数の入力を受け付けるようになっており、暗号証明は、「チェーンリンクVRF」プロセスが改ざんできない場合にのみ生成されるという。

この仕組みにより、「FNCTステーキングにおいて、バリデーターが公正に選出されており、外部の何者かによって改ざんされていないこと」が、オンチェーンで自動的かつ検証可能な方法で保証されるとのことだ。

「FNCTステーキング」は、フィナンシェで発行・利用されるコミュニティトークン(CT)の透明性や価値を担保するために定期的にブロックチェーン上に取引履歴を記録する作業を行い、その報酬として「FNCT」が得られるサービスだ。

2023年7月13日より提供を開始し、わずか3日間で「FNCT」のロック量は11億FNCTを越えたという。

「FNCTステーキング」への「チェーンリンクVRF」導入によりフィナンシェは、報酬が発生するバリデーターの選定が公平に行われたことを証明することで、ガバナンスおよびセキュリティを向上させ、バリデーターやFNCTホルダーがより安全で安心してステーキングに参加できる環境構築を目指すとのことだ。

ステーキングとは

ステーキングとは、「バリデーター」と呼ばれる「データの検証・承認を行う処理主体」が、暗号資産の生成やブロックチェーンの安定稼働を支える対価として暗号資産を受け取れる仕組みである。なおバリデーターとは、ブロックチェーンのネットワークに接続し、トランザクションが正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運用者のこと。運営者は、その貢献度等に応じた報酬が得られる仕組みとなっている。

フィナンシェについて

フィナンシェ運営の「FiNANCiE」は、スポーツチームや企業発足のプロジェクトなどがトークン発行によるファンディングを実施することで、資金調達ができるプラットフォーム。トークンの購入者は「FiNANCiE」内の各チームコミュニティに参加できる権利やコミュニティ運営の一部に携われる投票企画への参加や参加型イベントへの招待、特典抽選への応募などの権利が得られる。

またフィナンシェは、今年3月に国内3例目のIEO案件としてフィナンシェトークン(FNCT)をコインチェック提供の「Coincheck IEO」にて販売を実施。FNCTの申込金額は200億円を突破し、倍率18.78倍で約10億円相当のFNCTが販売された。

なおFNCTは「FiNANCiE」ユーザーへの報酬や「FiNANCiE」上の優良なコミュニティが継続的に成長するためのインセンティブとして活用されるプラットフォームトークンとしての役割を持つという。「FiNANCiE」では、スポーツチームや企業発足のプロジェクトなどが「FiNANCiE」内で発行する暗号資産ではないコミュニティトークン(CT)の発行も行われている。

ちなみにFNCTはイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で発行される暗号資産(仮想通貨)だが、「FiNANCiE」上での利用やステーキングやガバナンスに関するFNCTはポリゴンブロックチェーン上にブリッジされたトークンが利用されるとのことだ。

チェーンリンクについて

チェーンリンクは、現実世界のデータをスマートコントラクトに接続することを目的とした分散型オラクルネットワークだ。

チェーンリンクは今年3月、同社提供の価格フィード「Chainlink Price Feeds」が、米コインベース(Coinbase)独自開発の「Base(ベース)」のテストネットに導入されたと発表していた。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Lidiia-Moor

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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