「Ledger Enterprise」が、多くの企業に暗号資産/NFTの管理ソリューションとして選ばれる理由(Ledger Sebastien Badault インタビュー)

企業のWeb3参入をサポートする「Ledger Enterprise」とは?

企業が暗号資産・NFT・ブロックチェーンなどWeb3関連にビジネスに参入するために重要になってくるのが、そのデジタル資産の管理だ。ウォレット選び、公開鍵・秘密鍵の管理、また様々なチェーンへの対応など、これまでの一般的なビジネスとは大きく異なった部分へのセキュリティ対策が求められる。

そんな企業のWeb3参入をサポートするソリューションを提供する企業がある。Ledger(レジャー)だ。現在パリ、ヴィエルゾン、ロンドン、ポートランド、シンガポールなどに8つのオフィスを持ち、700人を超える従業員を抱える、Web3業界のビックカンパニーだ。同社は2014年の創業依頼、コンシュマー向けに暗号資産やNFTを安全に管理するハードウェアウォレットを提供してきた。これまで同社の販売したデバイスは200以上の国で、600万台を超える。

そんなLedgerが積極的に取り組むのが、企業向けソリューションだ。コンシュマー向けにセキュリティの高いサービスを提供していきたノウハウを活かし、同社が提供する「Ledger Enterprise(レジャーエンタープライズ)」は、資産管理の総合ソリューションとして現在多くのWeb3企業や金融機関に採用されている。

今回「あたらしい経済」は、LedgerのExecutive Vice President Enterprise RevenueであるSebastien Badault氏を取材。Badault氏に、同社が提供する企業向けソリューションの詳細や、なぜセキュリティの高いサービスを提供できるのか、企業向けにどのようなサポートを実施しているのか、そして日本市場をどうみているのかなどについて、訊いた。

Sebastien Badault 氏が語る「Ledger Enterprise」の魅力と安全性

–Ledger Enterpriseとは、どのようなサービスですか?Ledger Nanoとの違いとは?

Ledger Nano XとLedger Nano S Plusは、個人が暗号資産やNFTを自分自身で管理できるように設計された世界で最も安全なハードウェアウォレットです。一方のLedger Enterpriseは、主に企業や金融機関のニーズに対応します。

左:Ledger Nano X 右:Ledger Stax

まず、安全面においては、Ledger独自のOSと業界をリードする認定済みセキュアエレメントチップを搭載し、Donjon(ドンジョン)と呼ばれるセキュリティ専門家チームによりテストを実施しています。また、これまで世界中で600万台以上のLedger Nanoデバイスを販売してきましたが、過去に一度もハッキングされたことはありません。

そして企業などの複数名で所有するデジタル資産においては、一人が単独で秘密鍵を所有すべきではありません。複数名でポートフォリオを保護・管理するには、柔軟なガバナンスに加え、カスタマイズされたワークフローと追加のセキュリティが必要となります。

そこで当社は、企業やブランド、金融機関がステーキング・取引・DeFi・トークン化・NFTの管理をはじめとする「Web3」に関する資産を安全に取り扱い、地域の規制やガバナンスに基づいたデジタル資産の保管を可能とするB2Bプラットフォーム「Ledger Enterprise」を作成しました。Ledger Enterpriseは、企業向けに、Ledgerの最先端のセキュリティを提供します。

–Ledger Enterpriseが対応するトークンやチェーンについて教えてください。

Ledger Enterpriseは、世界のデジタル資産の時価総額における90%以上をサポートしています。ビットコインやイーサリアムはもちろん、ドージコインやソラナまで、20以上のブロックチェーンとすべてのEVM (5000トークン以上) へのアクセスを企業へ提供します。対応する暗号資産の一覧は、当社の公式Webページを参照してください。

–Ledger Enterpriseが安全である理由、セキュリティの高さについて、公表できる範囲で教えてください。

Ledger Enterpriseは、Ledger独自のハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのセキュリティスタックと最高レベルの保険プログラムを組み合わせた、エンドツーエンドかつ完全に監査可能なソリューションです。

最も信頼できるWeb3セキュリティブランドにおいて、Ledger Enterpriseは第1位となり、ANSSIとAICPA (SOC 2 type 2) の両方から認定されています。また、ISO 27001やISO 22301、CSPN V4セキュリティビザの取得に向け、現在取り組んでいます。

当社のテクノロジーは、業界を率いる世界中のリーダーによって使用されています。一般的に、ビジネスの成長に伴い、外部の脅威が高まる傾向にあります。そこで当社は、悪意のある攻撃や共謀、過失のリスクを排除し、政府や国際銀行が採用する同レベルのセキュリティ「FIPsレベルIIIのハードウェアエコシステム」でデジタル資産を保護する独自のシステムと個人用セキュリティデバイス(PSD)を開発しました。

これにより、「What You See Is What You Sign. (自分の目で見たものにサインする)」ことが可能となります。すべてのトランザクションは、Clear-Signing(クリア署名)テクノロジーで検証されます。また、Ledger独自のセキュリティアーキテクチャには、ブロックチェーン上のトランザクションを検証する前に、会社のカスタマイズされたガバナンスのルールが満たされていることを確認するハードウェア・セキュリティ・モジュール (HSM) も含まれています。

当社は、24時間365日の軍用レベルの保護と、第三者を仲介しない本当の意味での自己管理を提供しており、Ledgerが仲介者となることはありません。企業は、いつでも資金や資産を復元することが可能です。

一方で、真の安心を得るには、一定の保証も必要となります。そこでLedger Enterpriseは、Arch Insurance (UK) Limitedを引受先とする「Specie」と呼ばれるターンキー保険プログラムを作成しました。このプログラムを使用することで、カスタムポリシーや適切な補償範囲を簡単に設定することができます。

–Ledger Enterpriseのソリューションは、セルフカストディですか?その仕組みとは?

現在の世界市場で利用可能な企業向けのソリューションにおいて唯一、真のセルフカストディを提供するのがLedger Enterpriseです。

さらに、金融機関が資金を安全に保管および管理可能にする複数認証の暗号資産ウォレット管理ソリューションとして「Ledger Vault」があります。Vaultを使用することで、企業は売買、スワップ、貸し借り、ステーキング、クリア署名を行うことが可能です。これはセキュリティを一切妥協せず、利便性に優れた運用を必要とする資産管理者やカストディアンに最適なソリューションです。

さらに、シンプルかつ安全なAPIの強力なシステムを使用して、ビジネスに合ったWeb3ソリューションを構築することも可能です。

–企業のステーキングやNFT、DeFiに対するニーズへ、どのように対応しますか?

特に複数のステーキングプロジェクトを管理している企業にとって、ステーキングの処理は複雑になる場合があります。多くのプロトコルには独自のルールが存在するためです。

そこでLedger Enterpriseは、ステーキングプロセスを合理化し、ビジネスチームや顧客、投資家が安全に報酬を獲得しながら、より大きな安心感を得られる仕組みを作りました。クリア署名テクノロジーにより、アドレススワップ攻撃から保護し、柔軟なガバナンスフレームワークにより、エラーや内部共謀を防ぎます。

そして、真のセルフカストディにより、企業の出金キーは常にLedger Enterprise Vaultのセキュリティ内に留まります。 Ledgerのハードウェアは、EAL5+セキュアエレメント、FIPS 140-2レベル 3セキュリティ、および独自に強化された世界で最も安全なハードウェアです。完全な透明性を誇るダッシュボードにより、ビジネスのポートフォリオを最適に制御することが可能となります。詳細は、こちらのページをご覧ください。

またNFTのデジタルコレクションは、ブランドと顧客のつながり方に変化を与え続けています。現在のWeb3においては、共有のネットワークや体験、NFTとの魅力的な関係性を活用して、信頼や忠誠心を高めながらコミュニティが構築されています。当社のソリューションを利用することで、企業はシンプルかつ安全にNFTを管理することが可能です。

また、Ledger Enterprise Createにより、ブランドはプロジェクトの立ち上げからNFTの発行をわずか数日で完了することができます。このビジネス向けのツールキットは、自動化、ガバナンス、財務管理によりブランドの拡大にも役立ちます。組織としてのセルフカストディを支援しながら、最も大切な要素であるブランドイメージも保護できるのです。

さらに、Wallet Connectの統合機能で、数百種類のdAppsと安全に連携可能です。Ledger Enterpriseは、独自のNFTギャラリーへのアクセスを提供するとともに、資産管理をサポートし、マーケティングの向上を目指します。また、Ledger Enterpriseを使用することで、企業は自動レポートから、販売、購入、署名された入札や販売注文に関する情報を1か所で簡単に確認することが可能です。詳細は、こちらのページをご覧ください。

またLedger Enterpriseは、成長を続ける分散型金融 (DeFi) のエコシステムへのシームレスで安全な環境を提供しており、安全でフレキシブルなガバナンスフレームワークで、日々変化するWeb3に対応することが可能です。例えば、管理者が任意のEVMアカウント (Polygon、BSC など) へWeb3インタラクションの有効化を選択した場合、オペレーターがスマートコントラクトやDAppsのポリシーを構成できます。スマートコントラクトとは、イーサリアムおよびその他のEVMブロックチェーン上で実行されるプログラムであり、これらは、DeFiの基盤となるテクノロジーです。

これらのスマートコントラクトと対話するには、ユーザーアカウントが、NFTコントラクトのトークンミント関数や分散型取引所 (DEX) コントラクトのトークンスワップ関数など、スマートコントラクトで定義された関数を実行する特定のトランザクションの送付が必要となります。

Ledger Enterpriseでは、クリア署名テクノロジーを採用しているため、オペレーターが承認する前に、パーソナル・セキュリティ・デバイスの画面上でスマートコントラクトのトランザクションを確認する必要があります。つまり、契約を人間が解読できる形式で表示するため、オペレーターは承認前に取引の詳細が意図と一致していることを確認することができるのです。取引の詳細を確認せずに署名する「ブラインド署名」を回避することが可能となります。詳細は、こちらをご覧ください。

–企業が管理できるダッシュボードは、どのようなデータが表示されますか?その他の機能とは?

Ledger Enterpriseのプラットフォームは、運用スタイルやニーズに対応する設計となっており、プライバシーとセキュリティを優先しつつ、使いやすい管理機能とレポートツールを提供します。

ダッシュボード内では、管理操作からトランザクション操作など幅広い機能が利用可能です。 また、管理機能により、プラットフォーム上で作成された各アカウントへ、安全なガバナンスフレームワークの実装が可能になります。これらの機能には、ユーザーの招待やグループの作成、トランザクション権限の割り当て、トランザクションの実行者および承認者の定義、ホワイトリストの設定など含まれます。

トランザクションは、オペレーターは管理者が定めたルールの範囲内で厳密に実行されるため、設定されたプロトコルへの準拠が保証されるとともに、システム全体のセキュリティ強化に繋がります。

重要なポイントは、個人を特定できる情報 (PII) がプラットフォームに保存されず、ユーザーのプライバシーが保護されることです。すべてのユーザーは、パーソナル・セキュリティ・デバイスによって識別されるため、PII(個人情報)提示の必要性が軽減されるのです。

また、レポートでは、透明性の高いプラットフォームや各取引を開始・承認した人物など、詳細な取引データへのアクセスを提供します。さらに、権限を付与された管理者の特定をはじめとする、ガバナンスルールの変更履歴も記録されます。

Ledger Enterpriseプラットフォームは、ユーザーのプライバシーの尊重を重視しており、個人情報を含むデータの提示の必要性を排除しながら、企業ごとに異なる運用や規制上のニーズに適した形で、安全かつ透明性の高い管理ツールを企業に提供します。

–Ledger Enterpriseの導入や利用に困った場合、どのようなサポートが受けられるのでしょうか?

資産を安全に保つだけでは、十分ではありません。当社は、Web3の活用においてクライアントへ最高のカスタマーエクスペリエンスを提供できるように努めています。

まず、Ledger Enterpriseでは、導入やシステムのセットアップ、スマートコントラクトの作成や最適な市場進出戦略のアドバイスに至るまで、確実なサポートが保証されています。さらに、多数の言語に対応するとともに、市場動向を理解するブロックチェーン業界の専門家で構成されるカスタマーサクセスマネージャーおよびテクニカルアカウントマネージャーのチームが24時間年中無休で対応します。

当社のチームは、各企業のWeb3の成長を支援しながら、目標の達成に向けたサポートを提供し、お客様の成功を最優先に考えています。これこそが、高度にカスタマイズ可能なプラットフォームに加え、APIを使用して革新的な企業が当社のテクノロジーの基盤となる環境を構築する理由です。

また、企業が持つ可能性を最大限に引き出すためのサポート体制が整っています。ヘルプセンターおよびアカデミーブログ記事も参考にしていただけます。あらゆる質問に確実に答えるサービスと、重要なニュースや開発状況を常に把握しサポートすることで、当社は企業の適したWeb3環境をナビゲートすることが可能となります。詳細はこちらです。

–現在のクラアントはどのような企業ですか?日本にもクライアントがいますか?

Ledger Enterpriseは、すでに100以上のクライアント企業に対応しています。当社の顧客には、世界中のカストディアン取引所、およびブランドが含まれます。

日本では現在、デジタル資産金融サービスに特化する「Crypto Garage」や、ファンとの交流を促進を目的に、すでに多くの日本のスポーツチームやエンターテインメントプロジェクトで採用されているトークン発行とクラウドファンディングのためのWeb3プラットフォーム「FINANCiE, Inc.」などの企業をサポートしています。

–現在のクライアントはなぜLedger Enterpriseの採用を決めたのですか?Ledger Enterpriseが評価されたポイントはどこだと考えていますか?

なぜLedger Enterpriseを選んだのか?そして私たちが提供するサービスについてどう思うかクライアント企業に取材してみました。

Tetra TrustのCEOであるDidier Lavalée氏は、厳密なRFPプロセスを経て4つの異なるベンダーを検討したところ、セキュリティチームと技術チームの両方でLedgerが最高レベルであると判断したと話しています。同氏はまた、「TradFiの観点から見ると、Ledgerはデジタル資産保管システムを構築する他のベンダーよりもこの分野をよく理解している」と付け加えてくれました。

NDAXのCOOであるTanim Rasul氏は、Ledger Vaultは「業界で最も包括的で安全である」と話しています。特にガバナンスルールエンジンの柔軟性に感銘を受けたことを強調しており、当社のプラットフォームが「デジタル資産管理のストレスを軽減し、経営陣がコアビジネスの構築に集中できるようにする」ことを重要視していると明かしてくれました。

また、OneOfの共同創設者兼最高経営責任者 (CEO) であるLin Dai氏は、当社のエンドツーエンドソリューションが「(Ledgerは)業界をリードするハードウェアとセキュリティを使用した安全保護の牽引者であり、最新の暗号化プロトコルを採用していることから、Ledger Enterpriseと暗号資産の安全な保護と管理において提携することを選択した」と話しています。

当社の高度な鍵管理システムとマルチ署名認証により、必要なエンタープライズグレードのツールが提供されていると語ってくれました。その他のユーザーの声に関しては、ぜひ公式サイトをご覧ください。

–日本市場のポテンシャルについてどのようにみていますか?

私たちは、日本のマーケットへ大きな可能性を感じています。

市場が開拓され始めるにつれ、Web3以外の日本の企業からデジタル資産やブロックチェーンの実装に関する問い合わせが増えており、小売やゲーム、音楽などの幅広い業界において多くのプロジェクトやアイデアが生まれていると感じます。

一方で、特に金融業界では、伝統的でリスクを回避する企業が多く、その点での抵抗が依然として存在するように感じます。当社は、日本市場特有のニーズに応えるために、確立された現地の規制団体と提携し、事業を拡大してきました。

なお私たちの調査によると、日本の消費者はNFTやデジタルコレクションに強い関心を示しており、ブランドがWeb3テクノロジーを採用し、Ledger Enterpriseで資産を保護するという有望な未来を生み出しています。

私たちの日本でのNFT領域の取り組みとしては、2023年5月にNFTイベント「Bright Moments Tokyo」を後援し、日本のファッションブランド「Ambush」とのコラボレーションを発表しました。そして新しい手のひらサイズのハードウェアウォレットであるLedger Stax用の特注金属ケースを作成しました。

日本においてもこのような取り組みを続け、よりWeb3に関する認知拡大に寄与していきたいと思っています。そして消費者レベルと企業レベルの両方の需要が高まれば、より日本においてもWeb3が発展すると確信しています。

–Ledger Enterpriseに興味がある企業は、どのように連絡すれば良いですか?

当社のサービスに関するお問い合わせは、今回の取材に際して日本企業様でも日本語で安心してお問い合わせいただけるフォームをご用意しました。こちらのフォームからお問い合わせください

→「Ledger Enterprise」日本語 お問い合わせフォーム

また英語での問い合わせの場合はこちらのフォームを記入するか、enterprise@ledger.com 宛に直接メールをお送りください。

–申し込みから、契約締結までの流れを教えてください。

主なプロセスの流れは、次のとおりです。

  • 情報リクエストフォームを記入する
  • 担当者との面談を予約する
  • 面談により、お客様のニーズと目標を明確に理解する
  • カスタマイズされた契約の条件を交渉する
  • 契約書に署名する
  • 専任のカスタマー・サクセス・マネージャーと打ち合わせ
  • テクニカル・アカウント・マネージャーによるオンボーディングと設定
  • プラットフォームの活用を開始する

–初回の申し込みからどのぐらいのスケジュールで利用ができるようになりますか?

クライアントにより異なりますが、多くの場合2週間以内に利用が開始可能となります。

–これからdAppsなどをローンチする予定の小さなスタートアップでも利用できますか?

Ledger Enterpriseは、スタートアップ企業から世界最大手の銀行や取引所に至るまで、さまざまなタイプのクライアントの皆様からご利用いただいております。小規模な企業の場合は、Ledger Enterpriseの規制カストディアンパートナーを利用しながら、当社のプラットフォームで保護されたサービスを利用可能です。

–現在の世界のブロックチェーンや暗号資産市場をどのようにみていますか?

現在、世界の暗号資産市場は、明らかな弱気市場ですが、金融機関や優良企業の参入は大幅に増加しています。つまり、ブロックチェーン技術が確固たる足場を確立し、将来有望であることを証明しているのです。

例えば、世界最大の資産運用会社であるBlackRockは最近、他のETF運用会社に加わり、米国証券取引委員会に対し、先物市場ではなく、デジタル通貨に直接投資できる現物ビットコイン上場投資信託の承認を求めました。

また、取引所外の取引サービスへ強い需要があることから、当社は企業向けの次世代暗号資産取引サービスである「Ledger Enterprise TRADELINK」を立ち上げました。他のソリューションとは異なり、この革新的な取引および決済ネットワークテクノロジーは、完全にカスタマイズ可能です。これにより、企業はデジタル資産を比類のない制御を行うための独自の取引ネットワークを構築できるようになります。

 Ledger Enterprise TRADELINKの主な機能は以下の通りです。

  • オンチェーンの流動性のリバランスを行わずに、複数の取引所で取引する
  • 取引所外の取引で、資産のオーナーシップを確保・維持
  • 複数のプラットフォーム利用における、取引担保リスクを軽減
  • お気に入りの取引パートナーを、シームレスに統合
  • 自動化とトランザクションの最適化により、ROIを向上

また、従来の金融のようなモデルを実装できるため、監査が可能であり、規制順守を優先して長期的な成功を保証することが可能となります。このサービスは、 すべてのLedger Enterpriseクライアントが無料で利用可能です。

なお、これは、資産運用会社と取引所/OTCの両方による担保口座の可視化を可能にするフレームワーク「Trustless Multiparty Governance (別名、カウンターパーティ・ガバナンス)」に 基づいて構築されています。これにより、カストディアンの意図やデータへの依存が不要となり、 信頼を必要とせず(トラストレス)に安全に検証可能な運用が可能になります。私たちは、これらがベストな方法であり強気相場へ戻るための正しい道筋であると信じています。

–企業のブロックチェーン活用について、ここ数年で増えてきていると感じますか? またどんな領域が向いていると思っていますか?

確実に増えていると感じます。近年、企業によるブロックチェーンの利用において、トークン化や取引などの分野が特に関心を集めており、企業がNFTに大きな関心を寄せる様子を実際に目にしてきました。

–これからよりブロックチェーンやクリプトがマスアダプションするために重要だと思うことは何ですか?

まず、これらの仕組みや利点に加え、リスクを最小限に抑える方法 (特にセルフカストディの実践) について教育することの必要性が挙げられます。それに加えて、Web3テクノロジーへのアクセスを容易にし、マスアダプションが可能になるように、使いやすさを向上させることが重要であると考えています。

Ledgerでは、これらの重要な要素を、積極的に研究してきました。当社のブログやYouTubeチャンネル、アカデミーでは、消費者レベルと企業レベルの両方で急速に成長するデジタル・オーナーシップをわかりやすく解説しています。

また、私たちは、テクノロジーに詳しくないユーザーでも、デジタル資産を手軽に管理できるツールの構築を目指し、Apple社のiPhone開発者と協力して、E Ink@タッチスクリーンと Bluetooth@接続を備えた手のひらサイズのハードウェアウォレット「Ledger Stax」を作成しました。安全なLedger Liveアプリと使用することで、個人が何千もの暗号資産やNFTを簡単かつ安全に購入・売却・スワップ・ステーキング・保管することが可能となります。

Ledger Enterpriseの製品とサービスは、ブロックチェーンのマスアダプションへ取り組む企業をサポートします。私たちは、スマートフォンやパソコンが情報のインターネットを民主化したのと同じように、Web3が次のコンピューティングプラットフォームになると確信しています。そして、Ledgerのソリューションは、IoV(価値のインターネット)に対して大きな役割を担うことでしょう。

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この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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